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「…あ、ああ、分かった」
「…私には異性に裸を見られたからって叫ぶ神経が分からないよ…」
青年が了承すると彼女は呆れたようにため息を吐きながら言う。
「…それに関しては俺からは何も言えないな…」
青年は彼女の言葉に返答に困ったように返した。
「…とりあえず掃除も終わったし、アレが出てきたら私も入ろうかね」
誰に言うわけでもなく言った彼女は寝室に着替えを取りに行く。
「…あ、あの…先ほどはすみませんでした…」
女の子は脱衣所から出て来るや否や青年に向かって謝る。
「…いや、俺は気にしてないから君も気にするな」
「は、はい…」
「ふふんふふん♪」
なんとも微妙な雰囲気になるが彼女は我関せずで鼻歌混じりで脱衣所に行った。
「…そういえば」
「…はい」
彼女が脱衣所のドアを閉めた所で青年が言いづらそうに話を切り出す。
「風呂場で鉢合わせになったからといって騒ぐな、と彼女が言っていてな…」
「…そ、そうですよね…」
うるさかったかな…?と呟く女の子に青年は気まずそうな顔をする。
「ま、まあなんだ…騎士団では基本的にプライベートは男女別だったから慣れないとは思うが…」
「だ、大丈夫です!今回は初めてでびっくりしましたけど、次からはちゃんと慣れます!」
青年の言葉を遮るように女の子が宣言した。
が、その内容に青年の顔は気まずそうなまま。
「ふ~……後は髪を乾かして寝るだけだ、っと…」
お互い喋らず微妙な空気が流れる中、マイペースな彼女が眠そうに脱衣所から出てくる。
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