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「そりゃ凄いねぇ…」


「「え…?」」



彼女が褒めるような事を呟くと驚いたように青年と男の言葉が被る。



「誰に教えられるワケでも無く独学でやり遂げるってのは中々出来ないじゃん?」


「ま、まあ確かにそうだが…」



彼女の説明するような言葉に青年は男をチラッと見て言いにくそうに同意した。



「没頭できるほど好きじゃないと普通無理だよ」


「…それはそうだ」



彼女は作業を止めるワケでも振り返るワケでもなく適当に言う。



「で、ソコに所属したって事はココから出て行くって事でオッケー?」



教授だか博士なんだから寮でも良い所に住めるんでしょ?と彼女は振り返って問いかける。



「えっ?いやそれは…」



予想外の問いに青年はチラッと男を見て言い淀む。



「…魔導協会に所属したら必ず寮に入らなければならない、というワケでもないんだ」


「…チッ…なーんだ…」



男が微妙な顔で軽く説明すると予想と違ってたからなのか、彼女は舌打ちして落胆したように呟く。





「…おい、彼女が珍しく褒めたのってもしかして…」


「…多分お前が出て行くと思ったからだろうな…」



男と青年は彼女が背を向けてるのを良いことにコソコソと小声で話し合う。



「…俺が居ない間になにかあったのか…?」


「…いや…いつも通りだったと思う…」


「…という事は…俺が彼女にかなり嫌われてる、という事か…」


「…まあ、好かれてはいないだろうな…だからといって嫌われてるとも考えにくいが…」



青年は返答を聞いて落ち込んだ男に苦虫を噛み潰したような顔で考えながらコソコソ告げた。

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