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「…本部に行く前に、とか行ってなかったか?」
女の子の後をついて行った男が着いた建物を見て聞いた。
「…本部の食堂の方が移動時間が少なく済むから」
「…まあ俺はどこでもいいが…」
女の子の言葉に男は呆れたようにため息混じりで返す。
「教皇と会うのは13時、今は11時36分…着くのは早いに越した事はない」
「食後の1時間は何をしろと…」
女の子が説明すると男はやれやれ…と肩を竦める。
「そんなの知らない」
男の反応に女の子は一瞬だけ不快そうな表情になるも直ぐに元の表情に戻った。
それから大した会話は無く、食堂に到着。
「…ふむ、食券か…何にしようか…」
昼食時なのに何故かガラガラの食堂の食券機の前で男は悩む。
「早く決めた方が良い、12時からは一気に混む」
女の子は横からボタンを押して食券を取り出しながら注意する。
「…なら、無難にデュリオブールにでもするか」
女の子の言葉に男は決めた料理のボタンを押して食券を取り出し、カウンターへと移動した。
そしてカウンターで肉と野菜の炒め煮の入った皿を受け取ると入口に近い一番端っこの席に座る。
「……まあこんなものか」
男は料理を一口食べると落胆したように呟く。
「…デュリオブール…私と同じ…」
女の子が皿の乗ったお盆を手に男の対面側に座ると食べてる料理を見て呟いた。
「…いたって平凡で普通の味だな…」
「…料理に栄養と腹を満たす以外何かある?」
男の呟きを聞いた女の子が聞き返してくる。
「…可哀想に…」
すると男は同情したような目で女の子を見てボソッと漏らした。
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