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「…良かったな…」


「ああ!まさかこんなに作ってくれるとは…!」



青年の納得いかなそうな皮肉のような言い方にも男は気づかず嬉しそうに食べ始めた。



「…なんでコイツだけ…」


「あんたにはゾンビの時に作ってあげただろ」



ボソッと不満を零した青年に彼女がそう返しながら椅子に座る。



「いや、そうだが…でもこんな…」


「じゃああんたも魔導師?とやらを目指せば?」


「…俺が悪かった…」



青年は納得いかないように返してくるも彼女が聞き返すとあっさりと引き下がった。





昼食後。



「…あれ?お前の表示…なにかおかしくないか?」



青年が男の表示を見て不思議そうに聞く。



「ん?…オープン、リバース…いや、どこもおかしくないぞ?」



男は表示を大きくして逆回転させ自分で確認して聞き返す。



「…いやだってそのMP表示…」



青年は男の『6560』という元の10倍に増えてるMPを指差して言いかける。



「…ああ、コレか…彼女の料理の効果と俺のステータス強化魔法が重複したんだろう」



なんてことはない、といった様子で男が軽く説明した。



「重複って…」


「まあなんにせよ彼女の『MP自動回復』のメリットがステータス強化魔法のデメリットを超えたと言う事だな」



信じられないように呟いた青年に男は嬉しそうに話して外に出る。



「6000って凄いですね…」


「そうだな、文字通り桁が違う」



女の人が驚いたように言うと青年が同意した。



「…とにかく、俺たちは俺たちの出来る事からやれば良い」


「そうですね」



青年は話題を逸らすように言って外に出ると女の人も賛同して後ろからついていく。

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