113
「ぐふっ…!?」
模擬戦闘が始まって5分もしない内に青年が倒れ、HPゲージが赤色になり点滅し始めた。
「あ…えと、あの…やりすぎでしたか…?」
対する女の人は全くの無傷で困惑した様子で倒した青年に駆け寄る。
「…な…!?」
「…結局、ステータスの差が埋まれば経験だのレベルの差だのは関係ないんだな」
信じられない物を見るように驚愕して言葉を失ってる男の隣で彼女はつまらなそうに呟く。
「…い、いったい、どんなステータス強化を…?」
「ん~?『腕力強化』と『脚力強化』、『硬化』に『視力強化』…あとは『集中力強化』『知力強化』かな?」
呆然としたように聞いてくる男に彼女は適当に返した。
「腕力強化や脚力強化、硬化は分かるが…視力強化や集中力強化…知力強化とは…?」
「さあ?動体視力とかの目の良さが上がるんじゃないの?あとは集中力が上がるとか…頭の良さが上がるとか…」
「頭の良さだと!?」
彼女の適当な返答の最後の方に男が食い気味で反応する。
「ど、どういう風に頭が良くなるんだ!?」
「どういう風って…判断力や理解力、記憶力とかが上がるんじゃないの?」
興奮したように聞いてくる男に彼女は鬱陶しいものを見るような表情になって聞き返す。
「…なんと…!そんな夢のような…!……頼みがある!!」
男は感激したように呟くと彼女の前で膝を着いた。
「同じ料理でも良い…だから俺の食事は毎日三食『知力強化』の効果がある物にしてくれないか?この通りだ!」
そして彼女に頼みながら深々と頭を下げる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます