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「…少しいいか?」


「?なんだ?」



男は外に出ると女の人と話している青年に話しかけた。



「その子が何故ここに?」


「ああ…遊びに来たい、と言うから戻るついでに連れて来たんだ」



男が問うと青年は笑いながら答える。



「…どうも遊びに来た、という雰囲気では…」



青年の返答に男は納得いってないように女の人を見ながら呟いた。



「?そうか?」


「…ああ、さっき家の中に戻ったが…なんか彼女と気まずいような空気だったような…」



あんまり気にしてないような青年に男が小声でさっきの状況で自分が感じた事を知らせる。



「…彼女は厄介事を嫌うからな…あの子が何かしらのトラブルでも引き寄せると思ってるのかも…」


「…ああ、そう言えば俺の時も…助けてくれたではあるが、歓迎してる感じは無かった」



青年の言葉に男は感じるところがあったのか思い出した事を話す。



「俺の時も助けてくれた直ぐその後から厄介者扱いされていたよ」


「そうか…ならあの子は受け入れてくれてる方なのかもな」



青年が賛同すると男は納得して引き下がった。



「…彼女はツンデレ…のカテゴリーに入るのか?」



男は少し考えて青年に聞く。



「冷たい態度を取りつつも、なんだかんだ拒絶しないんだからツンデレじゃないか?」


「いや、拒絶しないのはデレに入るのか?そもそもツンデレとは『好意的な態度を取るのが恥ずかしくて照れ隠しで冷たく接してしまう事』だろう?」


「それはその好意的の解釈にもよるのではないか?なにもツンデレ=天邪鬼のように冷たい態度が愛情表現、では無いと思うが」



ここでまさかの議論が始まる。



「いや、そのギャップをツンデレと言うんであって…」


「それならば彼女のそれだってそのギャップに…」



結局どうでも良いような議論は、彼女が昼ご飯の完成を告げに来るまで続くのであった。

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