41
「…誰だお前は」
「…君こそ誰だ」
青年が家の中に入ってくると男が怪訝そうな顔をして問う。
そして青年も怪訝そうに男に対して問いかけた。
「「こいつは誰だ?」」
「「っ…!?」」
彼女に向かって質問した二人の声が被り、お互いに警戒したように顔を合わせる。
「ふふんふ~ん♪」
青年と男が一触即発な状況なのにも関わらず、彼女は我関せずで鼻歌混じりに解体済みの獲物を捌いていく。
「…俺はこの前そこの魔物のボスと戦って、死にかけのところを彼女に助けて貰ったんだ …怪しい者では無い」
「俺だって空腹で倒れ、危うく魔物に食べられそうな所を助けて貰ったんだ」
「「君(お前)もか!」」
青年が自己紹介のような説明を始め、男もそれに倣い説明するとお互いの経緯に同じタイミングで驚いた。
「…待て、今、そこの魔物のボスと戦った…と言わなかったか?」
男は今さっきの説明を思い出して疑問が生じたのか青年に問いかける。
「ああ、ここにいるアセスウルフのボスとだ」
「…この山に来てからずっと疑問に思っていたんだが…アセスウルフはこの地域には生息していなかったハズだ」
「…ソレは…俺が騎士の時の不手際が原因で…」
男の発言に青年は一瞬迷ったような反応をして正直に話した。
「騎士…?…なるほど、あの噂の山がココだったのか…」
男は青年の発言を聞いて考え込むと何かを思い出したように納得する。
「君はなぜこの山に?」
今度は逆に青年が男に質問した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます