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「どこかの小国にある剣道とかいう剣術の初歩的な技術を学ぶのと同じと言えるか…」
「剣道?…そういや日本に合気道とか柔道とか剣道とかそういったスポーツがあったな」
男の説明を聞き彼女は生地を踏み踏みしながら考えてちょっと納得する。
「俺が読んでるこの魔導書は導くという字で、魔術の更に上である魔法を学び身に付けるための書だ」
「魔法ねぇ…スポーツの柔道技と実戦で相手を破壊するための柔術…の違いみたいなもんか」
彼女は自分なりに分かりやすい例えに変換して納得した。
「で、なんでその難しい方の魔導書とやらを読んでんの?魔道の方が簡単なんしょ?」
「難しい分威力が桁違いだからな…だから俺は魔術を捨てて魔法に特化する事にしたのさ」
「ふーん…まあ読むだけで身に付くってのは楽で良いねぇ」
料理の指南書も読むだけで技術が身に付けば良いのにな、とバカにしたように笑う。
「…魔導の道を進む人以外の世の中のほとんどの人が勘違いしているが…魔道書を読むだけでほぼ使えるようになる魔術と違い、魔法というモノは魔導書を読むだけでは身に付かない」
男は少し怒ったように彼女の発言を否定する。
「まあだろうね」
彼女は軽いノリで男の発言に賛同した。
「…は?」
まさか彼女が理解するとは思ってなかったのか男は間抜けな声を出す。
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