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「では、俺はこれで…」



魚とキノコの刺身を食べ終わった後に青年が皿を片付けて帰ろうとする。



「話さなくて良いのか?」


「…何を話せばいいのか分からない」



彼女の問いに青年はうつむきがちに返す。



「そ、まあ私の住処を荒さなきゃソレで良いけどね」



彼女はどうでも良さげに焼き魚を齧って追い払うように手を振った。



「…コレは昼食と夕食をご馳走になったお礼だ、では失礼する」



青年はシンクの所に銀貨を置いて家から出て行く。



「…おっと、今の内に洞窟でも教えとくか」



片付けを全て終わらせた彼女は窓の外を見て外に出る。



「よお、寝てた?」


『…何の用だ?』


「雨降りの時の避難場所を教えとこうかと思って」



眠そうに顔を上げたボスに彼女はそう告げた。



『…どこだ?』


「案内するよ」



魔除けが貼られてる洞窟に行かれると困るし…と彼女はボスを先導するように夜の山を歩く。



「ココ」


『…ふむ、広さも申し分ないな』



家から歩いて15分ほどの場所にある洞窟に着くとボスが中に入って確認する。



「魔除けがある洞窟や柵に囲われた場所は行かないように言っといてね、食料庫だから」



彼女が念のために…とボスに指示した。



『…分かった』


「一応魔除けされてるけど、無理やり入られて荒らされたら困るんでね…じゃ」



特に反感を買ってないのに理由を説明した彼女は手を振って先に家に戻る。

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