第518話 ◆新たなる異世界漂流者
◆新たなる異世界漂流者
セレネがこちらの世界に飛ばされてから3年の月日が流れていた。
17歳だったJKも今や20歳、なんと成人となって女子高生という輝かしいステータスを失っていたのであった。
ちょっと何? この悪意のある文章、絶対に許さないんだからね!
セレネが割り込んで来るが、この小説の主役はあくまでもJKなのである。
よって、作者はセレネに代わるフレッシュなJKを召喚することにしたのだ。
***
ここは、セレネが通っていた高校である。
3年も経つとある日突然行方不明になったJKのことなどは学校の七不思議程度の扱いになり、本当にあったことなのか分からなくなってしまう。
こうなると裏山の陽当たりがよい芝生の上などは絶好のエスケープスペースであり、当然新入生の何人かが目をつけるわけである。
そして、東雲
しののめ
ユカもその中のひとりであった。
ユカは小学3年生までは、140cmでクラスでも身長が高い方だった。
だがユカの悲劇はここから先、身長がほとんど伸びなかったことである。
高校入学時の身長は、143cm。
通学時に小学生の集団登校の列を追い抜いていくのが嫌で、しばしば遠回りをして遅刻していた。
おまけに超童顔なため、制服を着ていてもコスプレ小学生にしか見えない。
そして今日は完全に遅刻したため、端
はな
から裏山の芝生の上に寝転がって雑誌を読んでいた。
当然、陽当たりも良く春の日差しをポカポカ受ければ、睡魔が襲ってくる。
スゥーー スゥーー 言ってるそばから、ユカは早くも深い眠りに落ちて行った。
***
やばっ 寝過ごした!
ガバッと起き上がったユカであったが、辺りはもうすっかり夕闇に包まれている。
大慌てで坂道を下って行こうとしてユカは、はたと動きを止めた。
どこだっけ、ここ?
もうお分かりであろう、あの場所は異世界へのワープゾーンのようなところで、ユカもセレネやマリア先輩のように異世界へ飛ばされてしまったのだ。
そして可哀想なことに、ユカは最悪の場所へ飛ばされていたのだった。
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