第457話 ◆ロボットとの取引
◆ロボットとの取引
ラグエルはθ星のロボットたちのことを伝えるためにセレネの部屋に向かっていた。
コン コン コン
はーい。 開いてるよー。
セレネさま、失礼いたします。
そう言って部屋に入って来たのは、ラグエルだった。
珍しいね、どうしたの?
はい。 実はセレネさまにお願いがありまして。
どうしたの?
あのー、実は先ほど中庭でルイさまの仲間の方とお会いしまして。
なんですと?
そのお仲間の方は、二人ともロボットという生き物のようなのですが、どこにも行く当てが無いようなのです。
ラグエル、ロボットは生き物じゃなくて機械だよ。 それで、そのロボットって今どこに居るの?
まだ広間にルイさまたちと一緒にいらっしゃるかと。
分かった。 すぐに行く!
はい。 よろしくお願いします。
これはひさびさに面白いものが見れる。 なにしろロボットなんて向こうの世界で見た、as〇moとかaib〇くらいだ。
ルイの仲間という事は、科学の進んだθ星のロボットだ。
それがどんなロボットなのか想像しただけでワクワクして来る。
あたしは速足で広間へと向かった。
ねえ、ルイの星のロボットさんって・・・ みれば広間の真ん中に小さな戦車みたいなのと人型のロボットが立っている。
あーー あなたたちがそうなのね。
で、なんであなたはパンツ穿いてないのかしら? あたしは人型ロボットが下半身丸出しで立っているのが気になって聞いた。
いきなり核心を突かれたアンナは狼狽し説明に窮する。
まさか、このお城に住んでいる幼女を捕まえようとして引きずられスカートが脱げたとは言えない。
いや・・ ちょっとしたアクシデントがありまして・・
そっか。 あなたけっこう精巧につくられているから、あたしのパンツでよかったら貸してあげるよ。
ほんとですか? よかったー。
あとでパンツ持って来てあげるから、それまでこれを腰に巻いといて。
あたしは、羽織っていたカーディガンをロボットに渡した。
ありがとうございます。 あたしはθ星のアンドロイドでアンナと言います。
アンナさんか・・ あたしはセレネです。 よろしくね。
こちらこそ、よろしくお願いします。 それでこっちのは調査用ロボットでルックと言います。
おい、こっちって何だよ。 ルックが不満そうな声を出す。
あら? この子もしゃべれるんだねー。
おい。 この子じゃない! 俺はルックって言うんだ。
あー ごめんなさい。 ロックさん。
いや、ルックだってーの!
あっ あなた此処凹んでるじゃないの。 あたしは、ルックの銀色に光るボディに大きな凹みを見つけた。
グワーッ やっぱり目立つのか! この凹みは、この狂暴なアンナに蹴りを入れられた跡なんだよ。
それはルックが下品な事を言うからじゃない!
あ゛ー あなたたちってもしかして結構面倒くさい方なのかな?
いや 違いますよ。 ただ相性が悪いだけです。
ふ~ん。 で、行くところが無いってラグエルから聞いたんだけど。 それ本当なの?
ま・・まあ、そう言うことになりますけど・・ アンナが動揺して尋常じゃない瞬きをするので、まつ毛がバサバサ音を立てる。
わかった。 それじゃあ、あたしの言うを何でもきくなら505号室を無償でお貸ししますが、どうしますか?
アンナには、もし敵に捕まった際にどのように行動したり受け答えをするかのプログラムが組み込まれていた。
もちろん、いまセレネが取引を持ち掛けているような事に対しては、あくまで拒否をして最悪破壊される前に自爆も辞さないようになっている。
アンナは、きりっとした態度でこう答えた。
ぜひ、お願いします。
こうして、アンナとルックはセレネ城の住人となった。
二人のエネルギー源である電気は、コリン君に505号室まで電線を引いてもらった。
部屋は無償で貸したセレネではあったが、電気提供の代償として肉体労働および事務仕事の手伝いをさせることにしたのは言うまでもない。
そしてこの二人は、魔導士エルサが連れて来た神官の3倍は仕事をこなしてくれたので、みんなの仕事が大層楽になったのであった。
***
ねえ、だんだん大所帯になって来たけど、作者なんだから全員のこと覚えてるわよね?
えーっと 君だれだっけ?
ゲシッ
あああっ
見ろよ、此処。 こんなにへこんだじゃないか。
・・・
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