第449話 ◆恐ろしい計画

◆恐ろしい計画



エルサが押しかけ女房を狙っている。


もしかしたら、あたしはエルサに嵌められたのかも知れない。



だーかーらー あたしはエルサさんに何にもしていないし、あの日の夜はあたしは娘の部屋で寝たんですって。


またまた、セレエルさまったら、あたしの服を全部脱がしてベッドに寝かせた癖に・・・


あ゛ーー どうすれば分かってもらえるのーー


・・・



セレエルさま、朝食の支度ができました。


はい、ありがとうございます。 いま行きます。


ダイニングに行くと、テーブルの上にはあたしの分と向かい側にエルサの分が用意されていた。


うーん これは既成事実をどんどん増やして行く策略だな。 さすがに国王に仕えている大魔導士だけのことはあるね。


(それなら、こっちも別方向から攻めてみるか)


エルサさん、東の国の国王さまに一度ご挨拶をしに伺いたいと思っているのですが・・・


?!  そ、それならば、このエルサが国王さまに、お伺いを立ててみましょう。


そうでした。 エルサさんは、ひ・が・し・の・こ・く・お・う・に・つ・か・え・る大魔導士でしたものね。


は、はい。 もちろんそうです。  わたしは、国王さまの信任が厚い大魔導士エルサですから。


それでしたら、今ごろは国王さまはエルサさまが居なくて、さぞや不自由を感じてられているのではないですか。


そそそ、そんなことはないかと思います。  こちらに来るときにきちんと許可を得て参りましたし・・


(ふへへ こいつ動揺してやがるぜ)


まあ、あと5日ほどでうちの大臣たちが帰ってきますから、国王さまにはもう少しだけ辛抱していただくしかないですね。


あたしのこの余計な一言が、この後の大騒動を引き起こすことになるとは、この時点では思ってもみなかったのだった。



・・・


エルサは爪をかじりながら、部屋の中をくるくる歩き回り、何か良い策が無いか考えていた。


せっかく計画が上手く行きかけて、天使様の傍にいられることになりそうだったのに、このままでは国王のもとに帰らなくてはならなくなる。


いったいどうしたらいいのだろう。


そして3時間ほどクルクルした時、突然閃いた。


それは恐ろしい計画だった。


セレエルの大臣たちを亡き者にしてしまい、自分と今回連れて来た神官たちがそのまま、セレエル様にお仕えするのだ。


いわゆる、総入れ替え計画である。


緊急事態であることと我が国が招待した客人の事故の責任を取る形なら、国王さまも納得されるに違いない。



そしてエルサの行動は早かった。


東の国からこちら側に帰ってくる時には、最北端の岬をぐるっと回り込んで来る。


そしてあの場所の近くにある峠に出るまでには、険しい岩山を抜けてくる必要がある。


あの岩山には昔使われていた牢獄があるのだ。  そこにこの国の大臣たちを投獄し封印してしまえばいい。


ふふふ これはきっとうまく行く。  いや必ず成功させなければいけない。



***


ねえ、知ってる?


何をですか。


!?は、「感嘆符疑問符」、?!は「疑問符感嘆符」って言うんですって。


へえ、知らなかったです。


使い方はよく分からないけど、きっと字の順番のとおりよ。


こいつ何言ってんだって驚いた時は、?!。


ひゃー 知らなかったよー って時は!?。


ふふん これでどうよ!


?!


あ゛っ?

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