第448話 ◆湯あたりしちゃう

◆湯あたりしちゃう


うふ うふふ


エルサがタオルに石鹸を擦りつけながら、下を向いて嬉しそうに笑っている。


はい それじゃあ、お背中洗いますね。


コシコシコシ


エルサさん。 先に行っておきますけど背中だけで結構ですからね。


ちっ


(い・・今、ちっ って言った?  言ったよね・・)


コシコシコシ


あ、ありがとう。 気持ちよかったわ。


コシコシコシ


あ、あのー もう十分きれいになったと思います。


コシコシコシ


えーと ちょっと痛くなってきちゃいました。


あっ すみません。  いまお湯で流します。


ざぁーー


ありがとうございました。


あのー 髪もあらっ


あ・り・が・と・う ございました!


は・・い  どういたしまして。  それでは失礼して自分も一緒にお風呂いただきます。


あ はい。


ちらっとエルサをみれば、スタイルは抜群にいい。 そしてやっぱり巨乳だった。


先に体と髪を洗い終えたあたしは、体を温めるためにもう一度湯船に浸かった。


ちょっと間をおいて、エルサも入ってきたけどこんなに広い湯舟なのに、あたしの隣にピタッとくっついて来る。


(う~ん エルサさんってもしかしたら百合ちゃん?) 


そしてエルサが頭をあたしの肩の上にのっけて来た。


ごくり  やばっ  来た来たキターーーー


前を向いたまま横目で見れば、スゥー スゥー寝息をたてていた。


なんだ、疲れて寝ちゃったのかー


このままじゃ、湯あたりしちゃうよね。


あたしは、よっこらしょっとエルサを担ぎ、湯舟から脱衣所まで連れて来た。


やっぱり女の子ってぷにぷに、ぼよよ~んと柔らかい。


わぁ エルサさんの肌ってきめ細かいなぁ・・・ 羨ましい・・



先にエルサの体を拭いて、とりあえずあたしのバスローブを着せる。


よっぽど疲れてたんだねー  なんだか悪いことしちゃったなー。


自分の体も拭いて、再びエルサを担いで自分の部屋まで連れて来た。


バスローブを脱がせてあたしのベッドに寝かせ、布団をかけて明かりを消して部屋をでた。


やれやれ、今日はニーナの部屋で寝るかー。


・・・



次の日の朝。


エルサがあたしを見ると俯いて顔を真っ赤にする。


もしかしたら目が覚めたら全裸であたしのベッドに寝ていたので、誤解したかもしれない。


あの、エルサさん。 昨日のことを覚えてないのですか?


こ・・こうなったら、もうあたしをセレエル様の嫁にしていただくしかありません。


やっぱり誤解してますって! 


いえ、うっすらですが昨日セレエル様と肌が触れ合った記憶があります。


いや、それはお風呂で寝ちゃったエルサさんを担いでベッドまで連れてっただけですから。


きゃ、恥ずかしい。  ベッドまで抱いて連れてってくださったのですか。


ああっ なんだか違うほうにどんどん誤解が広がって行ってるー



この後も何を言っても誤解が解けず、だんだん焦り始めたセレネであった。



***


ねえ、エルサって前から人の話し聞かないよね。


そうだ思い出したよ!  エルサのおかげで銀山で強制労働の刑になったし!


やっぱり、厄介なタイプなんだ。

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