第436話 ◆馬鹿ンス?

◆馬鹿ンス?


天界の天使ってみんな謹慎処分になっちゃえばいいのにな。


セレネさま、なんてこと言うんですか!   サリエルが突然のセレネの発言に驚く。


いや、だってさ。 天使ってよく働くじゃん。


セレネさま、今直ぐこの国にも労働基準監督署を作ってください!



いや、あたしはブラック企業みたいに働かせていないっしょ。


それに、住まいの提供、朝昼晩の三食付き。 おまけにその他福利厚生もしっかりしてるし。


あれ? あたしお給料はもらっていませんよね?


あはは 支払うだけのお金はまだないんですよ。 それは、サリエルさんもご存じですよね。


えへへ すみません。 ちょっと突っ込んでみたくって。


ラグエルだって毎日お腹いっぱい食べて、温泉入ってさ。 うちに来てから5kgも太ったってよ!


あー あれですね。  気が付いたらもう元の世界に戻れなくなってしまうという・・ これはもう堕天使への道まっしぐらデス!


きっと最後には、週末のラッパを吹くしかなくなるんですよ。  まったく恐ろしいことです。 


サリエルさん、そこ週末じゃなく終末です。


しっかり突っ込んでいただいて、ありがとうございます。  さすがセレネさまですね。


・・・



サリエルに言われてみれば、ここのところみんな超頑張って働いていたし、少し休養が必要だよね。 ←自分が一番休みたいだけ


休養と言えば、バカンス。  バカンスと言えば、ぼぉっとしながらのんびり過ごすことだから、そういうのに最適な場所を探さないとだね。


お隣の島はサバイバル向きだし・・・  よし! あたしがバカンスにもってこいの場所を探して来よう! 



という事で、日ごろのみなさんのお仕事の疲れを癒すために、バカンス休暇を設けたいと思っております。


そこで、バカンス休暇の取得に向け、行先候補の調査にあたしが出かけて来ようと思っていますので、みなさん楽しみにしていてください。


ちょっと、自分だけいい思いをしようっていうの!


そうだ、そうだ!


ずるいぞ!


おっと、思っていたより激しい抵抗だね。


えーと そういうご意見もあろうかと調査には、もう一人同行してもらおうと思っています。


その一人は不公平にならないように、みなさんが納得するやり方で選ぼうと思います。


よって、その選出方法は、ここにいるみなさんの多数決で決めさせてもらいます。



いいですか


一、大食い大会の優勝者


二、大酒のみ大会の優勝者


三、IQテストで一番IQが高い人


四、毒舌大会の優勝者


五、ハイジャンプの優勝者


六、高速飛行大会の優勝者


七、美人コンテスト優勝者


八、巨乳コンテスト優勝者


九、貧乳コンテスト優勝者


十、射撃大会の優勝者


十一、女装大会優勝者


十二、猫耳コンテスト優勝者



以上の中から投票数の多かった選出方法を採用することにします。



これじゃあ、票の分散が目にみえています!


そうよ! どうみても一はメイア、二はヴォルル、三はルイ、四はあたし、五はミミ、六はシルフ、七はニーナ、八はベル、九もあたし、十はエイミー、十一はコリン、十二はティアじゃないの!


てか、なんであたしだけ二つ当てはまるのよ!



えー 決まらない場合は残念ですが該当者なしということで、あたし一人で調査に行くことにします。


なんだとコノヤロー!


お前が一番行かなくてもいいだろー コノヤロー!


そうだそうだ、コノヤロー!


こ、こうなったら、もうこれを使うしかないわね!


ジャーン  週末のラッパ!  ←もう誰も突っ込まない こうなったら本当の終末



これをラグエル以外の者が吹いて音が出せた人が、あたしと一緒にでかけられるということで!


し、仕方がないわね。 あたしやるわ!


おっ、みなさん。 アリシアさんが勇気ある発言をしましたよー。


他の方はどうしますかー?



いや、音が出た時点で、この世が終末を迎えるのではないのですか?


ふへへ  そんなことはやってみなければ分からないじゃないの、コリン君!



セレネさま、なんだか仕事がしたくなくて自暴自棄になっていませんか?


そうよ。  こんなに毎日忙しいくらいなら、もう世界なんか滅んでしまえばいいのよ!


ちょっとくらい休ませてくれたっていいじゃないの。  あたしは、もうなんのために生まれてきたか分からなくなったわ。



ねえ、セレネってだんだん面倒くさいヤツになってない?  ←アリシア 


あらあら、セレネちゃんたら。 もう少し構ってあげないといけなかったかしら~  ←ヴォルル


このお城は殿方が少ないからじゃないでしょうか? ←ベル



それじゃ、一番の方どうぞ!


ごくり


アリシア、いきまーす!


ブシューー スゥーー  ブシューー


はい、残念。 失格でーす。



二番、メイア~


ゴォーーー


あーー 思いっ切り息を吐くと炎がでちゃうんですねー  失格です。



三番・・・



そして結局、全員が終末のラッパを鳴らすことが出来なかった。


それじゃあ、お約束通りあたしが一人ですてきな候補地を探してきまーす!



こうして、セレネはひとり旅立っていったのだが・・・

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