第435話 ◆天使の土下座

◆天使の土下座



また、天使が一人現れた。


前に天界に行ったときには、見なかった顔の天使だ。


どうやら、こいつは週末のラッパという最終兵器を持っているらしい。


いやセレネさま、週末でなくて終末ですよ。


そっか、週末だとなんとなくワクワクしちゃうものね。  てへぺろ。



でもなんで、人がせっかく楽しくやってるBBQの最中に落ちて来たんだろう。  あまりにもタイミングが良すぎるぞ。


結局、自分が開けた穴から這い出て来た後に10人前ほどをたいらげたから、肉が焼ける匂いに釣られて落ちて来たような気はするが・・



そこのところを追及すると、


えへへ  なんだか、サリエルが楽しそうでしたので来ちゃいました♪


と どう考えても普段から、こっちの様子を窺っていなければ知り得ないことをしゃべった。 



じぃーーーっ


え、えーーと  ほんとうは謹慎処分で・・  お、お願いします。 どうかわたしをここに置いてください。   そういうと同時にラグエルは、見事なほどのフライング土下座をする。


おほっ♪  (滅多に見れない天使の土下座。  キターーーーーー!)



う~ん  どっしよかなー


お願いです。  なんでもしますから。


えー ほんとうに何でもする?


はい。


あああ ラグエル、ダメですよ!  それはセレネさまには言ってはならないワードランキングのNo.1です!   サリエルが大慌てで止めるが。



もう遅いよ!  あたしは聞いた!  はっきり聞いた。  天使って嘘は言えないんだったよね!


いえ、あの、ラグエルはさっき、嘘ついてましたよね。  サリエルが横から突っ込む。


いいからサリエルは黙ってて!



ここに置いてあげてもいいけど、その代わりラグエルは、あたしの言うことをなんでっも聞くこと!  ←なんでもを強調するセレネ


ハーイ、この条件を呑むなら、即日受け入れOKでーす。



う~ん・・・  この条件にラグエルが真剣に悩む。


サリエルがあたしの後ろで両腕をクロスし、大きなバッテンを作って口パクで絶対にヤメロと教えている。



わかりました。 その条件でお願いします。


ほんと?  ほんとにいいのね?  やったー  それではラグエルさんには、今日から503号室をお使いいただくことで受け入れまーす。



よ、よかった。 これでやっとタンポポとかトカゲとか食べないですみます。



ちょっと、セレネさま。 ラグエルを受け入れたからって、酷いことしないでくださいよ。


あーーっ サリエルって、あたしのことそんな風に思ってたんだーー。  悲しいーー。


え、いや。 そんなことないですって。 わたしはセレネさまLOVEですよ。


ほんとうに?


はい。  天使はうそを吐きません。


・・・ いや、そのセリフが一番ウソくせーんだわ!



結局のところ原因は定かではないが、ラグエルが謹慎処分を受けたんだけど、サリエルと違ってサバイバル能力が全く無く、謹慎1週間で音を上げたのが実のところだった。


それで、藁をもすがる思いでサリエルを探しだし、しばらく観察していたがサリエルは超楽しそうにしている。


それでもなんか声をかけずらくて、何日も言い出せずにいたところ、BBQの匂いを上空で嗅いで空腹に耐え切れず、空から落ちて来たのだった。


あたしとしては、公務の仕事の量が増え続けている現状で、猫の手も借りたいところだったため、ラグエルの話しは渡りに船だったのだ。




***


ねえ、セレネは猫の手をもう借りてるんじゃないの?  ←アリシア


???


だって、ミミさん、ティア、ベルさんって猫系じゃない。


なるへそ。  そうだね。

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