第433話 ◆漏らしちゃった
◆漏らしちゃった
うそ! なんで?
朝起きるとあたしの体には、あのサリエルの金の鎖がギチギチに巻き付いていた。
そっか、まだ夢を見ているんだ。
現実じゃないか確かめるには、こうすれば一発で分かる。
サリエルのバカ!
ギチ ギチ ギチ
はぅ
いや~ 夢じゃなかったーーーーっ!
でもなんで?
お目覚めですか、セレネさま♪
あっ、てめー サリエル、なんでこんなことした!
ギチ ギチ ギチ
ぐわっ
すみません、ごめんなさい。
ひとつ教えてください。 どうしてまた、これを?
それはですね。 セレネさまが公務をサボっていらっしゃるからです。
それはちょっと違うわ。 サボっているのではなく、やる気が起きないのよ。
それは、サボるのとどう違うのですか?
ちっ (どうでもいいことを突っ込みやがって!)
ギチ ギチ ギチ
きゅぅぅ (くっ 心の中で思っても絞まるのか)
サボるのは自らの意思でしょ! やる気が起きないのは、なんがしらかの原因があるのよ!
だから、やる気がでないのは、その原因を取り除けばいいってことよ。
それは、セレネさまの心の甘えだと思います。
まずは公務をしっかりこなし、余裕ができたらやる気が起きるようにゆっくり休養をとるなり、思いっきり遊んだりすればよいのです。
わーー サリエルさんって、天使みたいーー。
ギチ ギチ ギチ
まっ・・ くるし・・・ もう限界・・ おしっこ漏れる~
チョロッ
あたしは泣いていた。 いい歳をして朝から布団の上で、おしっこを漏らしてしまった。
あらあら たいへん。 セレネさま、そこをどいてください。
わたし、お布団を干してきます。
まって、表に布団を干したらみんなに見られちゃうよ。
でも、干さないと乾かないですよ。
いいから、もうその布団は捨てて新しいのを買うから! そう、セレネは恐れていた。 アリシアに見つかって一生言い続けられることを。
もったいないことをするのですね。 それでは、そのお布団はサリエルが頂いて行きます。
やっ・・ やだ、サリエルったら、この布団どうするつもりなの?
えへへ あたしのととりかえようかと。
くそっ お前がこの鎖をしやがれっ!
ギチ ギチ ギチ
あああっ
シャーーッ (Oh no!)
・・・
えぐっ ひ~ん
あらあら そんな子どもみたいに泣かなくても。
セレネさまが3日間しっかり公務に励まれ、書類の山が無くなったら、その鎖は自然に外れますから。
わーーーん
それからあたしは3日の間、執務室に籠り続け、いままでに溜まった書類の山を次から次へと片付けて行った。
そして4日目の朝、書類の山は見事に無くなっていた。
やったーーー! これでやっと遊びに行けるぞーー!
って、どうしてこの鎖外れないの? サリエルは天使だから嘘を言うわけないしなー。
それにしても、執務室にこんなにダンボール箱を持って来たの誰なんだよ! 狭くて身動きがとれないじゃないの!
いったい、この中に何が入ってるのさ。
あたしは、一番近くにあった箱を開けて、そっと蓋を閉じた。
さっ ひと眠りしてこよっか。
***
納期直前まで、なんとか間に合うからいいやと余裕をかましていると予想外の追加が入ったり変更依頼があったりで、徹夜とかしている人よくいますよね。
でもさ、前倒しでやっても結局あんまり楽にならないんですよねー。
よく考えたら、一生懸命楽をしようと頑張っちゃうと、おっ?こいつまだ仕事追加できそうじゃんって思われるからっスカね?
じゃあ、いったいどうすればいいの?
そんなの簡単! あんたが上司になればいいのよ!
ぎゃふん。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます