第390話 ◆ティアに教わる アルファベット体操

◆ティアに教わる アルファベット体操


セレネとアリシアは、お菓子の食べ過ぎでかなりヤバイ状態だった。


いつもなら、それなりの短期食事ダイエットと運動で体重を元の状態に戻していたのだが、今回はそんなに甘いものではない。


なにしろ、胸を刺されて貧血状態だったセレネは、ジャイアントラビットのステーキや甘いデザートをバクバク食べ、それにつられたアリシアも同じものをバクバク食べたのである。


気が付けば、二人とも10キロ近く太っていた。


最初はお互いにデブデブと罵り合っていたのだが、お風呂に入った際、鏡に映った己の無様な姿と無情な体重計の数字に言葉を失った。


なんとか現実逃避したい二人は、体重計の製作者であるコリン君を呼びつけ、難癖に近いであろう修理要請を突きつけた。


コリン君は、体重計の目盛りに細工をするか否かを散々悩んだ末に逃亡した。


・・・


やはり、体脂肪計の開発が必要ですね。


わわっ  ティア、どっから出て来たのよ!


お二方のプニプニ、ダボンダボンのお肉が、このあたしを呼んだのです。


ふんっ  ゼイ肉がしゃべるか~い!


ってか、スタイルに問題が無い人は、あっちに行っててよね!


よろしいのですか?  とっても効果的なトレーニング方法を教えて差し上げようと思って来ましたのに。


ええっ  ティアったら、それを早く言ってくれればよかったのに。


で、お姉さんにその効果的なトレーニングを教えてくれるのよね。


セレネずるい!  あたしも一緒に聞くーー。


それはですね・・・ あたしが先ほど編み出したアルファベット体操というものなのです。


先ほど?


いえ、別に。  ちょっと口が滑っただけです。  気にしないでください。



この体操の基本形はCの形です。


C?


そうです。


床に横になって、体をCの形にします。


         。←ここが頭

 ここが胴体→C、←ここが足


ハイ! それでは二人とも、とりあえずやってみましょう♪



うーーん  こんなに反れないよーーー!


これって、バックエクステンション(上体反らし)のもっとすごいヤツだよね?


でも、横向けに寝てやるので、長い間姿勢を保てるでしょ。  アリシアさんは、まだ曲がり方が足りてないので補助しますよ。



いいですか、行きますよ。  それっ!


バキッ


ぎゃーーー  イタタタ!  いま背骨があり得ない音したーーーー!



はい、それじゃセレネさんも♪


それっ!


ぐぇーー    


さっき食べたものが出そうーー



いいですか、この後は連続して、U、F、O、L、O、V、E、J、K、L、O、V、E の形ですよ!


うわぁ  これ、きっつ!  きくぅーーー


体が熱くなって来たーーー



ん?  なんだかこのエクササイズには、メッセージ性を感じるわね。


UFO LOVE?


JK LOVE って何よ!



ティアってば、あたしたちを揶揄ったのね!


きゃー  バレたーーー   この間のトランプゲームの仕返しですよーーーっだ!


こら、待てーーー!  そっちに行ったわ。 アリシア、捕まえて!


あたしに任せなさい!  そら、捕まえたーーー


ぐぇっ


そのまま、押さえておいて!



あたしは、この間から気になっていたティアの猫耳を引っ張って、クニクニしてやった。


うにゃあ  ああん


するとティアがエッチな声をあげる。


ふふふ  つぎはしっぽよっ!  それそれーー


ふにゃあああ   


Sっけをだして、ティアを責めていると・・


ダダダダダッ  バンッ


いきなりドアを凄い勢いで開けて、ミミさんが飛び込んで来た。


ミ・・ミミさん、どうしたの?



い、いまの声はなに?  誰が鳴いたの?



鳴いた?  誰って、ティアですけど・・・


まあ、あなただったのね。  猫族の発情の鳴き声、ひさびさに聞いたわー♪


ええーーーっ  ←セレネとアリシア


で、お相手の殿方は、どこに?


ミミさんは興奮気味に辺りをキョロキョロ見回している。



いやーー  何て言ったらいいでしょうか・・・  その~ ・・・


セレネ、白状して猫パンチ喰らっちゃえば?  アリシアが耳元でボソボソ言って来る。


いやよ!  それに白状ってなによ! 


ニヤリ


ミミさん、ティアを鳴かせたのはセレネでっす!


あ゛ーーー  アリシア、てめーー 


きゃー セレネがあたしも鳴かせるーーー



なんだ、ひさびさの出番だったのに酷い落ちだわ。 ←ミミさん




ティアが結構色っぽかったので次回へ続く・・・

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