第321話 ◆温泉を造ろう! その2
◆温泉を造ろう! その2
あたしたちは、国民が楽しめる温泉&温泉プール施設を造ろうとしている。
ただし、温泉が湧き出ている場所が人口の多い首都圏近辺に無かったため、どうしたものかと悩んでいた。
そうしたら、アリシアが上から目線で、あたしとコリン君をバカ呼ばわりしてきた。
まあ、アリシアが提案したアイデアをあたしたちは思いもつかなかったので、多少は目を瞑ってあげることにしたけど。
しかしアリシアが提案した温泉の造り方は、かなり危険を伴うものであったため、重要工事期間の2日間は首都の一部地域に避難勧告が出されたのだった。
それじゃ、行くわよ! あたしが合図したら、印がある場所に向けて一斉に爆裂魔法を放つのよ!
は~い。 先生、わかりましたあ。
ちょっ、セレネ。 真面目にやりなさいよ! コリンもいいわね。 魔王討伐の時みたいに、ドジを踏んだら怒るからね!
はい、はい。 わかりましたよ。
我がエルフ族の誇りにかけて我が魔力の全てよ、目の前の大地に風穴を開けろ! はいっ、一斉に!
インテンス エクスプローションーーー!!
ビカッ ドドォーーーーン! 地響きとともに、まるで原子爆弾が破裂したかのようなキノコ雲が沸き上がる。
ゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーッ
ブシューーーッ
深い! 深すぎる! やっぱり3人分じゃ威力があり過ぎたんだ! コリン君が目の前の惨状に絶叫する。
あたしたちが放った爆裂魔法が大地を深く抉り取り、その穴は地中深くのマグマ溜まりまで到達してしまったのだ。
その結果、コリン君が危惧していたとおり、マグマが地表に向かって勢いよく噴き上げて来た。
叔母さまーーー、出番ですよーーー!
オーホッホホッ ここはあたくしにお任せなさい!
うわっ、 ヴォルルさんってば、アリシアにクリソツじゃないの。
ググググッ グゥーーーッ
ゴボッ ゴボッ 噴き出ようとする溶岩の勢いがヴォルルさんの重力場魔法によって押し戻されていく。
お・・抑え込んでます。 ヴォルルさんが抑え込んでますよ、セレネさん。
ヴォルルさん、頑張れーーーー!
あらあら、セレネちゃんが応援してくれてるから、もう少し頑張っちゃおうっと!
てぇいっ!
プシュッーーーー
セレネ、見た? さすが、あたしの叔母様よっ!
あ~ はいはい。 すごい、すごい。
ヴォルルさんはマグマを押し戻すと、更に思念魔法を使い周辺一帯を安定させた。
そして1週間後、少し冷えて来た溶岩の上に温泉を作りだすため、川の水を少しずつ引き入れて大きな温水湖をつくっていった。
最初は、ジュウジュウという音とモウモウな蒸気が辺りに立ち込めるが、それもやがて落ち着いて来る。
どう? コリン君。 何度くらいに下がった?
ちょうど80度ってところですね。
硫黄の臭いも少しするし、なかなか温泉らしいよね。
この源泉から大露天風呂と温水プールが出来るんですね。
うん。 今回ばかりは、アリシアのお手柄ね。
まあ、我々は酷い言われようでしたけどね。
これでこの国の人たちが温泉や温水プールを楽しんでもらえるっていうのは、とても嬉しいことです。
それじゃあコリン君、もうあとひと踏ん張りお願いするわね。
わかりました。 立派なレジャー施設を造って、きっとアリシアを見返してやりますよ!
コリン君、そのいきよ! あたし、応援してるからね。
さてさて、なにやら温泉も出来たみたいですが、温泉プールと言ったら水着のポロリがあるかも知れません。
でも、残念ながらプールがまだ出来ていないので、次回以降に続くのでした・・・
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