第315話 ◆全国の女子高生のみなさんへ

第十四部


◆全国の女子高生のみなさんへ


突然ですが、全国の女子高生のみなさん。 油断しているとあたしのように突然異世界に転移してしまうかも知れませんよ。


あたしの場合は、なんとか生きてうまくやっていますけど・・・



あたしが、こっちの世界に転移してから不思議に思ったことがある。


それは、女子高生がいないということだ。


まあ、それは極端だけど生徒や学生が学校に通う姿を一度も見たことがない。


それでは、人口が極端に少ないのか、はたまたその年ごろの子どもたちが少ないのか・・・



そんな何気ない疑問を夕飯の下ごしらえをしていたコリン君に聞いてみた。


学校ですか・・・ 学校っていうのがよく分からないのですけど、勉強は自分で図書館に行ったり、両親に教えてもらったりするのが一般的ですね。


専門的な技術は弟子入りして修行しますし、学問的なことは王立機関で学びます。


だからセレネさんが居た世界での小さな子どもが集団で勉強するような場所は、僕らの世界ではありません。


そっか・・・ そうなんだ。  ふ~ん。


自分で勉強して分からないことがあれば、図書館の司書さんに聞いたり、両親や周りの大人の人が教えてくれるのだそうだ。


この世界では、学校がないからこそ勉強の必要性は自分が意識するし、強制的に教えられるのではないからしっかり身に付くのだ。


なるほど、これは案外いいシステムなのかも知れないなあ。



となると、けいちゃんもいずれは自分で勉強するか、あたしが教えることになるんだ。


いやいや ここには教科書もないし、テストの時だけ一夜漬けで逃げて来たあたしじゃ教えるのは無理っす!


よくよく自分の学力を振り返ってみれば、もっと真面目に勉強しておけば良かったと後悔するばかりである。



もう一度言っておきたい。  全国の女子高生のみなさん。 あなたも何れ母になるのです。


その時に子どもに勉強を教えられるように、しっかり勉強しておきましょう。


お前、人の事を言えるのかよ!  と突っ込みが来そうなので勉強の話しはこれくらいにしておきたい。



・・・


あたしは、いま自分の国へ帰って来ている。


留守の間、ニーナとコリン君が国政をしっかり行っていてくれたので、人々の暮らしはより便利で豊かになっていた。


人口も2割ほど増え、北へ向かって開拓も進んでいる。


自然環境にも配慮して、地域ごとの開拓面積は5割を上回らないようにしている。


そして、国土と決めた面積の半分ほど開拓が進んだ時、あたしたちはある問題に遭遇した。



いつも気になる終わり方は、作者の性悪根性によるものなので、次回へ続くのであった。

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