第308話 ◆叩きましたね!
◆叩きましたね!
赤ちゃんとサリエルを連れ戻し、フィアスが待つ船へ乗り込んだあたしたちは、次に何処に向かうべきかについて話しあっていた。
あたしは船をまりあ先輩に借りているので、まりあ先輩の国へいったん戻るべきではないかと言った。
メイアとシルフは、自分の国へ戻りたいと言う。
まあ、この二人はコリン君の料理を食べたいだけな気がするんだけれどね。
アンディは、モッフルダフが次に向かう予定の真ん中の島まで乗せて行って欲しいらしい。
という事で、船で子育てをしながら元来た航路を逆に辿ることにした。
赤ちゃんをやっと連れ戻すことが出来てから、改めて気づいたことがある。
名前を付けていなかった・・・
そのことを言うとサリエルが、名前はあたしが付けましたとドヤ顔で言ったので、思わず天使の頭を叩いてしまった。
た、叩きましたね! 神様にだって叩かれたことはなかったのに!
ご、ごめん。 思わず手が出ちゃった。 ほんとにごめんなさい。
セレネさまは、女の子なのに狂暴なんですよね!
サリエルがプンスカ怒り始めたので、急いで退散する。
そうか・・・ あたしって狂暴なのかぁ・・
でも思わず手が出たのは、赤ちゃんをあたしの目の前で変態神様と一緒に連れ去ったサリエルを、心の中でまだ許せてなかったのかも知れない。
・・・
結局、赤ちゃんの名前を聞きそびれたけど、自分で名前を付ける気なので、まあいいかである。
確かサリエルは、エルエルシリーズみたいなのを候補に挙げてたっけ。
アリエル、エリエル、セリエル、マリエル、ラジエル・・
う~ん、やっぱりあんな天界の名前みたいのは嫌だな。
日本人の名前で男女違和感がなさそうなのは・・・
なぎさ、かおる、いつき、けい、せな、みき、みずき、れい とかかなぁ・・
うん、けいちゃんがカワイイ♪
・・・
夕食の時、あたしは赤ちゃんの名前を’けい’にすることを発表した。
サリエルは、自分が付けた名前があるので、’アリエル’にしたいと言ったので、それじゃあこの子は二つ名前を持てばいいじゃんと言ってそうなった。
つまり、’九条けい・アリエル・オウゼリッヒ’だ。
サリエルもそれで納得したようなので、普段は’けい’で呼ぶようにお願いした。
けいちゃんは、とても元気であたしのおっぱいをたくさん飲んで、すくすくと大きくなっていった。
ある日、けいちゃんがおっぱいを飲んでいるのをメイアがじぃっと見ているので、メイアも飲みたいの?と聞いたら、恥ずかしそうにコクンと頷いた。
なので、反対側のおっぱいを飲ませてあげたら、すごく嬉しそうに吸っていた。
ドラゴンもお母さんのおっぱいをたくさん飲んで大きくなるのだろうな。
あたしはドラゴン姿のメイアがお母さんドラゴンのおっぱいを飲んでいるところを思い浮かべてみたが、その姿では正直あまり可愛くないなと思った。
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