第274話 ◆KISSはヤバイ!

◆KISSはヤバイ!


あたしは、この世界のルールについてヴォルルさんと話をしてみた。


妖精とKISSしたら婚姻関係になるというのはシルフの件で知ったのだけど、もしかしたら妖精だけじゃないって事なんでしょうか?


そうね、妖精を含めたエルフ族、神族、魔族なんかも同じだわね。


それじゃ、ヴォルルさんに間違ってKISSしたらヤバイいんですね?


ホホホッ 試しにして見る?


いえいえ、滅相も無いです。


まあ、エルフ族はどちらかと言うと村の掟とか本人の意思を重んじるし、それほど厳格ではないわね。


良かったあ・・・  ヴォルルさんとは、なんか一回ぐらいKISSしたような気がしてたんですよ~。


あらあら、セレネちゃん。 それって、あたしの旦那さまにはなってくれないってことなの?


いえ、あのそれは・・・


でも、なんでいつもあたしが男役になるんですか?


それは、最初に自分が女って意識した方が女になるんだけど、だからセレネちゃんはワンテンポ遅いのか、それとも普段あまり女の子だっていう意識がないのかもね。


たったそれだけなんですか?


そうよ。


・・・ まあ、シルフにしてもサリエルさんにしても、あたしよりはカワイイし納得はしますけどね。


シルフちゃんで思い出したけど、あの二人はもうだいじょぶそうね。


そうですね。 無理に一人にしなくてもよさそうなので安心しました。


あと残った問題は、アリシアとあたしのこの金の鎖です。


サリエルも300年一人暮らしだったので必死よね。


ちょっと待ってください。 それじゃあ300年前に天界を追放になって、あと3か月でその謹慎期間が終了ってことですか。


まあ、そういうことになるわね。


あ゛ーーー あたしはなんて運が悪いんだ。  あと3か月後だったら、サリエルさんには会わなかったのに・・・


ギチ ギチ


あぅ・・ こんなんでも絞まるの?


セレネちゃんも災難ね。 その鎖って天使が持ってたのかもしれないけど、呪いのアイテムよ!


なんとなくわかります。  さっきから絞めつけられる度に、くい込んできて痛いんですよ。


あと3か月なんて絶対に体がもちません。


そうね・・・  それならば、あたしの別荘で3か月リラックスして過ごすっていうのはどうかしら?


いいです!  それ凄くいいです。  貸していただけるんですか別荘!


何をいってるの。 好きなだけ使っていいわよ。  ついでにメイドを一人つけるからゆっくりしてきなさいな。


ヴォルルさん、ありがとうございます。  それじゃ、遠慮なく使わせていただきます。



こうして、あたしはヴォルルさんの別荘に行くことになったのだった。

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