第256話 ◆セレネ王国の未来
◆セレネ王国の未来
ヴォルルさんとニーナも帰国し、久しぶりに全員が顔を揃えた。
手強かった海賊船もヴォルルさんによって撃沈され、掴み取った勝利で町はいま喜びに包まれている。
あれほどの戦いだったが、死者は出さずにすんだ。
負傷者もニーナとアリシアが治癒魔法で治療し、全員回復に向かっている。
ヴォルルさん達が乗って来た船で新たな移民も増え、この駆け出しの国の未来も明るい。
また、まりあ先輩の国と国交を結んだため、定期的に商船の行き来も決まり、特産物も輸出できるようになった。
課題はまだまだ沢山あるけど、国民が幸せだと思える良い国をみんなの手で作って行きたい。
・・・
ヴォルルさん、長期の移民募集使節団、お疲れ様でした。
うふふ 結構楽しかったわよ~ ねっ、ニーナちゃん。
ガタ ガタ ブル ブル ガク ガク ・・
やだ、ニーナったらガクブルじゃないの。 まあ、何があったか何となく分かるけどね。
はい、ヴォルルさん。 これはあたしがヴォルルさんから留守の間預かってたブドウ畑の葡萄で作ったワインですよ~。
あらあら まあまあ うれしいわ~ セレネちゃん、ありがとう。
セレネさん、アンデッドたちが乗っていた2隻の船ですがどうしますか?
コリン君は、相変わらずの女装姿で戦後の処理をテキパキこなす。
そうね・・・ お祓いをしてもらって、軍艦として使うってのはどう? 大砲もいっぱいついてるし。
よいと思いますけど、そうそう敵が攻めてくるとは考えにくいので、普段は遠洋漁業用として使ってはどうでしょうか。
うん、それイイね。 漁協の人に説明して、使ってもらえるか確認をお願い。
わかりました。 明日さっそく、漁協に行ってきます。
コリン君をお父さんに押し付けられたときは、どうなるかと思ったけど流石オトコの娘、いや男の子は頼りになる。
セレネ、今回のあたしの活躍、もっと褒めたたえなさい!
ハイハイ、確かにアリシアは凄かった。 防御魔法も更に強力になったんじゃないの。
何を言っているの。 あたしの防御魔法はまだまだ、あんなものじゃないわよ。
まあ、アリシアったらちょっと見ないうちに随分と逞しくなったのね。
ヴォルルさん、アリシアは本当に大活躍でしたよ。 ←ちょっと仕掛けた
まあ・・それなら、あたしからララノアに修行の成果を話しておいてあげるから、あとであたしと魔力比べをしましょう。
いや・・ あの・・ え~と あたしちょっと用事を思い出したので・・・
あっ 逃げた。
セレネ だっこ~
いつものことだがメイアが甘えて来る。
今回、この子も大活躍だった。
メイアの捨て身の突撃が無ければ、海賊船の砲撃を止めることが出来ずに大きな被害と犠牲が出たに違いない。
ハイハイ、こっちにおいで~
今日はいつもの倍は抱っこしてあげよう。
シルフは既に定位置で爆睡している。 シルフの活躍も秀逸だった。
シルフがいなければ、リアムたちは全滅していたかも知れない。
もしもそんな事にでもなっていれば、あたしはエイミーやまりあ先輩に顔向けが出来なかった。
なにしろエイミー一家に声をかけて、ここに来てもらったのはあたしなのだから。
こっちの世界に来て初めて出会ったのがシルフで本当によかった。
もしもシルフと出会っていなかったら、あたしはどうなっていたのか分からない。
いろいろ思うと、あたしは周りのみんなに本当にたくさん助けてもらっていたんだなぁ・・・
もっと勉強して体も鍛えて、みんなと助け合ってこの国を世界一幸せな国にして行こう!
あたしは、草の匂いのする朝の風を胸いっぱいに吸い込んだ。
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