第239話 ◆戦果
◆戦果
巨大蟻の巣穴への爆撃は、大きな問題も無く全員帰還した。
殺虫草爆弾の直撃を受けた蟻は、のた打ち回って倒れた。
巣穴の中で破裂した爆弾は、確実に巣の奥へと流れ込み、強烈な臭気で巣穴全体を覆い尽くした。
結果、多くの蟻が巣穴から飛び出し、防衛ラインより西へと向かって移動を始めていた。
ここまでは、ほぼ作戦計画通りである。
爆撃を終えてから2時間おきに偵察隊を出して、状況の確認を行うと移動をしている途中でも多くの蟻が息絶えたことが分かった。
2回目の偵察では、中央巣穴から体半分ほど這い出て力尽きた女王蟻が発見された。
これによって今後蟻が増えることは、ほぼ無いと判断した。
この状況ならば、ここを再びセレネ王国の出発の地とすることが叶うだろう。
セレネ、今夜は戦勝パーティーだわね。
あたし、大活躍だったんだからいっぱい褒めなさい!
アリシアが上から目線で、ふふんとした顔で言う。
まあ確かにアリシアが担当したエリアで女王蟻が死んでいたのは間違いないのだけど、あたしが苦労して採って来た殺虫草があっての作戦成功じゃないかと思うのだが・・・
戦勝パーティーと言ってもいつもの夕食となんら変わりもないが、ジャイアントラビットのお肉もまだ沢山残っているので当然焼き肉中心だ。
みんなでお肉を食べながら、家や畑、水車作りなど具体的に話を詰めて行く。
今度作る家は、前にニーナが言ってたように、頑丈に作ろうよ。
それなら山にある渓谷を抜けたところに、家作りによさそうな岩があったから切りだして組み立てるのはどうでしょう。
それ、いいかも。
やっぱり作るのに時間がかかっても安心してぐっすり寝られる家がいいですね。
いつまでも肉ばかりじゃ栄養バランスが悪いので、早く野菜を作りたいな。
そうそう、あたしシャキシャキなサラダを食べたいわ。
レタスとトマトやキュウリなんかは肉と一緒にパンにはさんで食べると美味しいよね。
パンなら小麦も育てないとね。
それじゃ、パンが食べられるのは1年先ってこと?
そうだね。 1年後をお楽しみにだね。
あたしはお酒が飲みたいわ~。
お酒は、ヴォルルさんしか飲まないから優先度は一番低くていいんじゃない。 (あたし)
あらあら、それじゃ一人で頑張って造るしかないわね。
僕も手伝いますよ。 料理にお酒は必要ですからね。 (コリン)
まあ、コリン君、うれしい♪
水車を作れば、発電や粉引きも出来るようになるし、川まで水を汲みにいかなくても家まで汲み上げた水を引き込めば、蛇口をひねれば水が使えます。
コリン君、蛇口が無いよ。 (あたし)
蛇口も作ればいいじゃないですか。
コリンさんは、手先が器用ですものね。 (ニーナ)
お風呂も蛇口をひねれば、お湯がでるの? (アリシア)
いやいや、浴槽に水が張れるのさ。 あとは、薪を燃やして湯を沸かせばお風呂に入れる。 (コリン)
あたし髪を洗う時にシャワーを使いたい。 (アリシア)
うん、考えて置くよ。
ほんと?
うん、なんとかするよ。
やったーー!
なんだかいろいろ大変そうだけど、こういう話しって楽しいね♪
そうですね。
さあ、明日から今の話しを実現するためにみんなで頑張ろう!
おぅ!
次回へ続く・・・
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