第216話 ◆運動するぞ!

◆運動するぞ!


ヴォルルさんに、この島で楽しく遊べるところに連れて行ってもらえることになったので、あたしとニーナは集合する時間を決めてから一旦船に戻った。


お~い  若者たち全員集合ーーー!


集合の掛け声にアリシアとコリン君、キャロンさんが顔を見せる。


あれっ?  メイアは?


メイアは、セレネに置いて行かれたんで拗ねてるわよ。  アリシアが何をやってくれてんの見たいな顔でこっちを見てくる。


あ゛ーーー  しまった。  拗ねちゃったかぁ。


やれやれ、ちょっと様子を見てくるか~。


部屋に行くとメイアが隅っこで膝を抱えて座っている。


メイア~  ただいまー。  


遅くなってごめんね。


近くに行くと ぷいっとそっぽを向いてしまう。


反対側から顔を覗き込もうとすると、またぷいっと反対側を向く。


昨日はメイアと一緒に行ったから今日はニーナの番だったの。  分かってくれるわよね?


ぷいっ


はい はい じゃあ抱っこしてあげるから機嫌を直してね~。


やーーーーっ


ありゃ~ これは重症かーー


わかった。 それじゃみんなと遊びに行ってくるからメイアはお留守番しててね。


やーーーーっ  セレネと一緒に行くーーー。


はいはい。  それじゃ一緒に行こう。   


手をつなごうとしたら、飛びついてきて結局抱っこする羽目になった。


まっ カワイイからいいんだけど本当の娘より、メイアの方が自分の子どもみたいだ。



お待たせーー  メイアの機嫌が直ったから、ぼちぼち出かけるよーーー!


この若さで幼女の扱い方がうまくなっている自分が怖い。


再びヴォルルさんのお店に行くと、ナイスバディのヴォルルさんがハイレグ水着みたいなのを着て待っていた。


あたしは、おっさん三人組が一緒でなくて心からよかったと思った。


えーーと 海水浴ですか?


いやだわ、違うわよ。 


それよりアリシア、ひさしぶりね~。


あわわわわ・・・


あたしは、アリシアがこんなに青ざめた顔になるのを初めて見た。


ど、どうして、おばさまが此処にいるの?


うふふ あたしは神出鬼没なのよ。  なにしろこの世界最強の女ですもの。


そ・・そんな・・・ なんで・・・ うそでしょ。


あとで分かったのだけれど、ヴォルルさんは名前を幾つも持っていて、この島ではヴォルルと名乗っているのだそうだ。


どうりでアリシアが、最初にヴォルルという名前に反応しなかったわけだ。


でも、あのアリシアがこんなに動揺してるなんて、なんだか面白い展開になりそうだ。


はい、それじゃあ本日のメニューを発表します。


ヴォルルさんが、アリシアの両肩に後ろから手を乗せてホールドしながら発表である。


アリシアがガクブルなのが結構笑える。


最初は、ピン倒し(ボーリング)をします。  次はサバイバルゲーム(フィールドアスレチック 強化版)ね。


そして最後は、シャトルバトル(バドミントン)。  総合ポイントが多い人が優勝です。


優勝者には、わたしから豪華賞品をプレゼントしま~す。


わ~い なんだか面白そう。


この時、よもや結果がこんなことになるとは思いもよらなかったのだけどね。

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