第143話 ◆薬の知識とじゃんけんぽん!
◆薬の知識とじゃんけんぽん!
薬の訪問販売をするのには、薬の知識がないと話にならない。
頭痛薬、胃薬、整腸剤、消毒薬、解熱剤、目薬、シップ薬・・・
薬の種類は、たいしたことはないのだけれど、人種によって効く薬や返って毒になってしまうものがあるので厄介だ。
この世界は、薬剤師みたいな資格は必要ないけど、薬を間違えて売ったら大変なことになる。
その点では、薬問屋に売るのが楽ではあるが、今回は仕方がない。
全員|(シルフ除く)で薬の勉強会をして、薬の効能などをしっかり覚える。
・・・
粉や粒状の薬は、見た目は向こうの世界のものと変わりないのだけれど、原材料の中には「えっ?」っと思うようなものがある。
例えば、獣人の〇〇〇は精力剤に使われているし、人魚の〇〇〇は傷薬軟膏に配合されている。
また、人食い植物の消化液は胃薬になるけど、あんなのは絶対に服用したくない。
その中でも虫系が結構多いので、あたしは病気をしないように気を付けようと心に誓った。
あたしは、虫は超苦手だ。
こっちの世界の虫は、信じられないほどサイズが大きい。
最初に大ムカデを見たときは、気絶しそうだった。 だって、3mくらいあって人も襲うらしい。
迂闊に草むらなどに入ると巨大バッタや巨大蜘蛛、季節によっては巨大トンボもいるので、もしこっちの世界に飛ばされるような事があったら気を付けてもらいたい。
あたしは虫の話しをするのも嫌いなので、いままでのお話しの中では特に語っていないのだ。
話しが逸れたので、元に戻そう。
薬の知識は、メイアと覚える気が初めから無いシルフさん以外は、何とか身に付いたので、いよいよ行商に出かけることにした。
まずは、地図を見ながら売り歩く地域が重複しないように線引きをする。
どっちのルートを選択するかは、じゃんけんで決める。
全員(シルフ除く)参加で、最後に勝った者が先に決める権利を得る。
最初は、グー。
じゃんけん、チョキ!
こう叫ぶとチョキかグーを出すやつが多い。
案の定、アリシアはチョキを出して悔しがっている。
さあ、もう一回。
最初は、グー。
じゃんけん、グー!
メイアがグーを出して負けた。
別に見方が負けてもOKだ。 あたしが最後に残ればよい!
まてよ? ニーナ、あなた人の心を読んではダメよ!
ニーナが、ぺろっと舌を出す。
やっぱり! 不正は許さん!
さあ、これで最後。 ニーナ、いざ勝負!
最初は、グー。
じゃんけん、パー!
・・・
あいこで、パー!
・・・
あいこで、チョキ!
ううっ ま、負けたーーー! くやしいーーー
あたしの編み出した、じゃんけん必勝法は成果が出せず、最後の最後に娘のニーナに負けてしまった。
と、言うことで、ニーナ&アリシアのペアは、山の手エリアを選んだ。
このエリアは、お金持ちのお屋敷がたくさんあると思われる地域だ。 これで、あたし達は圧倒的に不利になった。
そして、あたし(含むシルフ)とメイアは、下町エリアだ。 ここは人情おなさけ作戦で行くしかないか。
さぁ、いよいよ訪問販売合戦の幕開けだ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます