第113話 ◆天空の城
◆天空の城
バイトも無くある退屈な日の昼下がりに、モッフルダフから買ったこの世界の地図を何気に眺めていたら、地図の左下にもわもわした陸地のようなものを見つけた。
売った本人モッフルダフなら、知っているに違いないので、フィアスのお見舞いも兼ねて聞きに行くことにした。
みんなに気づかれると面倒なので、そぉと出かけようとしたのだけれど、袖を引かれて振り返ればニーナがニッコリ笑っていた。
あちゃー いま一番面倒な子に見つかってしまい、ガックリ _| ̄|○ する。
ママ、ちょっと出かけて来るからおとなしく留守番しててね。 いい子にしてたらニーナが好きなスイートポテトを買ってくるから。
・・・ママ、わたしも一緒にフィアスのお見舞いに行く。
そうなのだ。 ニーナはどうやら人の心が読めるらしい。 これは心を読まれる側にしてみれば、大層厄介な能力なのだ。
嘘や誤魔化しは通用しないし、本心を読まれるのは誰だって嫌なものだ。
仕方が無いので、一緒に連れて行くことにするが、二人の会話を耳のいいメイアに気づかれてしまう。
結局、いつもの勉強メンバーで外出することになってしまった。
まぁ、学校の遠足とか野外授業とか思えばいいのかも知れない。
途中、触手人間さんとすれ違い、挨拶をかわす。 その際には触手に触れないといけないので緊張する。
メイアは触手人間さんに魚をもらったのを覚えていたらしく、二人で何か話しをしていた。
今日は春のような陽気で、ポカポカと暖かい。
フィアスが居る大桟橋まで歩いて行くと少し汗をかいてしまった。
モッフルダフを見つけてフィアスの具合を聞くと順調に回復しているらしい。
ただ、手術費用が結構掛かったらしく、フィアスの調子を見て早めに商売の旅に出ると言う。
それならば一緒に行くので出発する日が決まったら、早めに連絡をくれるように頼んだ。
それで、今日の目的であった地図の もあもあ が何なのかを教えて欲しいと言うとちょっと困った顔をする。
おいおい、自分が売った地図じゃん! 高かったんだから、ちゃんと教えてよ!
すると、この もあもあ した地図の範囲に空に浮かぶ島が漂流していると言う。
はぁん やっぱり何でもありな世界だぜ!
で、その島にはお城があるらしい。 どこかで聞いたような話しで思わず笑ってしまう。
そしたら、モッフルダフが怖い顔をして、そこには絶対に行ってはいけないと言う。
なんでも神様が住んでいるらしい。
おおぅ・・ 思わずナイスアイデアが閃く。
そうそう、神様なら元の世界へ帰る方法を知っているんじゃないか! 絶対行く、何が何でも行ってやる!
そう顔に書いてあったらしい。
モッフルダフは、そこに行って生きて帰って来れた者は一人もいないと付け足した。
_| ̄|○
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