カクテルあらかると【短編集】

作者 かがみ透

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★★★ Excellent!!!

クラシックを弾いていた主人公の優が、ジャズピアノと出会い、さらにはバーテンダーとなり、音楽とカクテルの両方面から語られる大人の恋愛物語。

作者さまの豊富な知識が、物語に奥行きを作り出しています。
例えば、カクテルの名前の由来などが解説されており、そのカクテルが出された時々の出来事や心情とシンクロし、作品の奥行きを感じられます。

落ち着いた音楽を聴き、カクテルを飲みながら、1話1話堪能したい、そんな上品な仕上がりになっていると思います。

★★★ Excellent!!!

音楽とカクテルとそれから恋と。

この3つのセッションが素敵でないわけがありません。

作者さまの御作品『J moon』『ジャズテイストで行こう!』のビフォーストーリーともいえる短編集です。

BAR「J moon」のバーテンダー優とバーのママ蓮華が「J moon」をオープンさせるまでの物語。


第1章はBAR「J moon」のバーテンダー優の大学生の頃の物語。
クラッシックのピアノ専攻である音大生がある日ジャズに出会います。
今までの音大の講師や同級生たちとは違う世界の人達が優の日々を新たに彩りはじめます。

バーでのバイト、ジャズマンたちとのバンドセッション、そして年上女性との恋。

ジャズ、クラッシック、登場する音楽が聴こえてくるような描写の中、ストーリーは展開していきます。

星がこぼれるような煌めき
暗雲が覆うかのような戸惑い

主人公優の19歳から20歳の頃のお話。
お酒が飲めるようになり、心身ともに成長し、そのほろ苦さも味わって……

早く大人になりたいと憧れて焦るその先で味わったカクテル。
強いカクテルを味わったあとに奏でる音楽。
きっと今までとは違う血の通ったアレンジのピアノになっているはず。

第2章は優と蓮華の出会いの物語。
きっとこんな関係性に誰もが憧れる。
いつもふたりには音楽が寄り添い、カクテルがふたりを彩る。


1章、1章、さまざまな材料をグラスに入れていって作るカクテルのような短編集。
ソロだった演奏にさまざまな楽器が参加していって奏でられるセッションのような短編集。


そんな彼と彼女の人生の前奏曲《プレリュード》をぜひ「聴いて」「味わって」みてください。

作者さまの世界観に酔った方はぜひ『ジャズテイストで行こう!』『J moon』にもお立ち寄りくださいね。

★★★ Excellent!!!

まず、文章そのものが落ち着いていて、とても読みやすいです。
そして物語のモチーフであるバーと音楽についても、作者様の持ち合わせている知識の高さを感じさせます。
そして軸になるのは大人の恋愛。
成熟した大人の恋愛には出会いと別れがつきものですが、そういった要素をリアルに描いています。
結ばれた二人が決してイチャついたまま幸せになれるわけではなく、かといって別れで必要以上に重いわけでもない。いかにも物語っぽい誇張した表現よりも、現実的にその出会いや別れから何を学ぶか、大人としての付き合い方とはどのようなものか、そういったことを表現している作品なんだと私は感じました。
それにしても主人公の優くん、若造の癖にずいぶんと大人ですねえ。
優くんを参考にして改めて女房を口説いてみようか、とか考えてしまいました。
本作品を読んだら、きっと一人でバーに行きたくなると思います。
お洒落で落ち着いた、大人の恋愛を楽しみたいのなら、本作品をぜひ読んでみてほしいと思います。
(優くんのようになれたら、たぶんモテモテだよ)

★★★ Excellent!!!

バーテンダーであり、ピアノ奏者である優を主人公に、音楽を通じて出会う人達をめぐる色とりどりの恋模様が描かれた秀作。

この作品では、人を惹き付けて止まない優の存在がとにかく美しく映ります。
柔らかくて、温かい、そんな人柄の優だからこそ、この物語はこれほどまでに読み手を離さない力を生み出しているのでしょう。

作者様の音楽知識の幅広さ、ひとつひとつのカクテルの持つ意味をしっかりと描き出す筆力、そして魅力的な登場人物たち。
どれをとっても「素晴らしい」の一言に尽きます。

音楽やカクテルに興味がある方なら絶対にハマること間違いなし!
単純に恋愛模様・ヒューマンドラマとしても楽しめる一作です。

少しでも「お?」「気になるぞ?」と思ったそこの貴方!
ぜひご一読を!

★★ Very Good!!

(『Ⅱ. 第10話 モスコミュールな彼女』までの感想です)

バー「J moon」のバーテンダーである優に時間軸を合わせた「ジャズテイストで行こう!」の前の物語。

音大のクラシック派だった優がジャズに出会った経緯、そして「J moon」でバーテンダーをする事になった経緯が語られています。

華編も登場しており、優との関係、絶妙なやり取りも。

まだまだ目が離せません。

★★★ Excellent!!!

同作者様の『ジャズテイストで行こう!』が大変に素晴らしかったので、連作短編であるコチラも拝読。
やはり音楽が基本ストーリーでありながら、複雑な恋模様をカクテルで表現するこの手腕は見事の一言!
そして、わかってはいたが一筋縄ではいかないストーリーですねぇ……。

恋と音楽。
今回もこの二つが面白く噛み合ってくれることを確信しました!
もっと日の目を浴びて欲しいです……!