引っ掛け問題
(頭おかしい。)
「どうした急に?」
( 1+1は? って聞かれて、 2 って答えると、はずれって言われるあれ、あるじゃん。)
「田んぼの田ってやつ?」
(それ。頭おかしい。)
「どうして?」
(田んぼの田が答えになるには、1、1、+、=が揃う必要がある。)
「揃ってるじゃん。」
(質問を思い出せ。 1+1は? って聞いているだろ。 は を = としてだけ見なすのはおかしい。そもそも、 は が = だったとして、この質問は成り立っていない。)
「最後に疑問符ついているし、質問に変わりないでしょ。」
(いいや、違うね。 は を = として答えとなる 田んぼの田 の一部に利用するわけだから、更にもう一つ は を付け足す必要があるだろ?つまり 1+1はは? こう聞くのが筋ってもんだ。)
「さいで。」
(おかしいのはそこだけじゃない。各要素を組み合わせて 田んぼの田 にするなら 1 + + + 1 + は は? と質問するのが普通だろ。計算問題として致命的なバグだぞこれは。)
「いや、そもそもこの手の問題って引っ掛けて相手を楽しむものであって、厳密に口にしてしまったら、その趣旨が台無しになるじゃん。」
(楽しむためなら真実を捻じ曲げても良いというのか?見損なったぞ!)
「お前に見損なわれても…。」
(黙らっしゃい!というか、仮に 1+1は? の質問を許容するとしても、結局 は が一つ足りないことに変わりないのだから、真の答えは 田んぼの田 ではなく 1、+、1 から成る 王様の王 が正解だ!)
「その二つの1を寝かせるのはいいんだ。」
(こっちだって質問を百歩譲ったんだ。1の扱いぐらい百歩譲ってもらっても罰は当たらんだろ。)
「屁理屈…。」
(俺が憤りを感じているのはそれだけじゃないぞ。 手袋の反対は? って質問あるだろ?)
「 ろくぶて→六打て で、答えると質問者に6回叩かれるあれね。」
( ろくぶて の答えには 誰が誰を の部分が含まれてない。なのに答えただけで叩かれるのは理不尽に頭おかしい。)
「まあ、分からなくもないけど。」
(そもそも ろくぶて って命令形だろ?自分を殴らせる命令を下すとか、ケースとしては稀過ぎないか?敵の洗脳を受けて操られていた上司が、一瞬我に返って、 再び正気を失う前に六打てぇ!! ってそういう状況でしか有り得ないだろ。)
「疑念を持った友人が主人公に自分を叱咤して殴るように言う友情の場面も一応あるけど…あれは命令というよりお願いに近いか。」
(俺の怒りはまだ終わらないぜ。次はピザ10回のお前!)
「 肘 を言わせる引っ掛け問題だね。」
( ここは? って肘を指差して 膝 と間違わせるふてえ野郎だ。俺は出題者の意図に屈しないように決まって、 人間の体の一部 って答えてる。肘は人間の体の一部だし、間違いではないよなぁ?つーか、ピザピザ言わせやがって、腹が減るんだよ腹が。)
「もはや穴を指摘するのをやめて、ただの愚痴だな。」
(この手の引っ掛け問題に弱いんだよ、俺は。もう少し手加減しろ。)
「一千万円を懸けた大一番でもないんだし、正答誤答に拘らずに、肩の力を抜いて楽しめばいいのに。」
(俺は何事にも全力投球なんだよ。)
「本当は?」
(…悔しいだけ。)
「気楽に行こうや。」
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