変わらない主張

「何だよこれ…こんなの、でっち上げだ!

俺ら、こんな事言ってねぇもんなぁ!!?」

「そーだそーだ!俺達こんなひでぇこと言った事ねぇよ!!?」

「…はぁ…まだ認めませんか…」

「仕方ないですね、すいません

お願いしていたやつ、よろしくお願いします」

「えぇ、任せて下さい」


ココまでの証拠を見せられても

まだ自分達は悪くないと言い張る3人

ディアナとルーザは呆れて

最終手段を使う事にした


「な、何だ…お前…」


現れた男…ギルド員だと思われる…

に驚く所を見ると、今から何が始まるのか

全く見当がついていないのだろう


「関係ない奴が入ってくんじゃねぇよ!」

「俺達3人と、このガキ!それと、そこの女の問題だからな!」

「ほら、お前…さっさと訂正の記事とこの2人がウソつきだって

情報誌で伝えろよ!」


傍観者を決め込んでいるルーザに男はそう迫る

ルーザはため息をついて


「えぇ…検証が終わったら、キッチリ記事にしてあげるわ

(あなた達がウソつきで卑怯な人間か…って事をね)」

「検証だとぉ?俺ら3人が言ってるだろ!

それで十分だろ!?それ以上何が必要なんだよ?!」

「いえ、それだけでは不十分ですね

ディアナさんの証拠を払拭する根拠にはなりません」

「だぁ~かぁ~らぁ~

あれは、デタラメだって言ってんだろ!!?」


ギルド員の男性が発言した事で

男達の標的はそちらへと移る


「それでは、あなた達の言ってる事がデタラメ…

という可能性もありますよね?」


ギルド員からスッと鋭い視線を向けられ、一瞬ウグッと詰まる3人組

しかし、それで危険を悟る事が出来ていれば

こんな状況になどなっていない


(…このギルド員…大分強くない…?

まぁ…確かに、こういったトラブルの時に使う道具を扱ってんだもんな…

物理的にも強くないと、ダメっちゃダメか…)


気付いたユウキは一人で自己解決していた


「俺達大人3人が言ってるんだぜ?!

ウソなわけあるかよ!」

「そーだぜ!3人とも同じ事言ってるんだ、間違いねぇ!」

「いや、普通に子どもに比べて、大人の方がウソつきですよ

3人が同じ事言ってるから本当とか、口裏合わせたらすぐですよね

何ですか、その小さい子どもが使いそうな理由は…」


呆れたようにため息をつく男性

このままでは、話が進まないと思ったのだろう

ディアナがニッコリ良い笑顔で男性に近づき…


「ま、ココでこの人達の言い分聞いててもしょうがないですよ~

その水晶で過去をパパッと見ちゃいましょう」

「なっ…か、過去だと…?!」


明らかに動揺し始める男達

見られて困る過去があるのだろう

という事を簡単に想像出来る動揺っぷりである


「ふざけんな!その水晶で見えるのだって

さっきの映像みたいにデタラメに決まってる!

信用できるか!!?」

「おや?何のためにギルドから僕がココにいると思ってるんですか?

僕からすると、同じギルドの人の潔白を証明したいですけどねぇ?」

「な、何だ…俺達の仲間か…

じゃあ、身の潔白を証明してもらおうじゃねぇか!」

(いや…絶対潔白っていう判定になるわけじゃねぇよ)


自分の味方だと認識したらしい

味方なら都合の悪い事はしないだろう

と、まぁ、きっと安易な考えをしたんだろう

それこそ、自分達の主張が通るように改竄でもしてくれるだろう…と

だが、水晶から映し出された映像…それは…


「ふっざけんな!やっぱデタラメな映像じゃねぇか!!」


ギルド員の男性が水晶に魔力を流し込んで映し出された映像

それは、先程ディアナの記録媒体である映像と同じだった

まぁ、ディアナが撮ったものは、そもそも過去本当にあった事なのだから

当然の結果と言えば当然の結果である

というか、それ以外に流れようがないのだ

しかし、潔白になると思っていた男達は納得いかない


「お前らの都合の良い過去が流れるんだろ!!?

こんな役立たねぇ水晶なんかっ!!!」


逆上した男は剣を抜き振りかぶって水晶を壊そうとする

それさえ無くなれば…と思ったのだろう


ガキンッ


「なっ!!?」

「ホント、いい加減にして欲しいんですけど…」


ギルド員の男性が剣を剣で受け止めていた

そのため水晶には傷一つついていない

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