手がかり

(そういえば、前アヤキの塩味作った時…調味料の名前…塩だったよな…?

って、事は…ココでの名前も塩って事?

でも、こないだ塩の名前出してもミナミは反応しなかったし…

色々知ってそうなボックスの2人も、調味料について何も言ってこなかったな…)


黙々とクッキーを食べながら思案するユウキ


(このクッキーは僕達がこの世界で初めて作った…

だから、僕達が呼んでいたクッキーっていう名前になった…

っていう可能性が高い…まぁ、確定じゃないけど…

そうなると…塩も同じ可能性があるなぁ

この世界で、まだ発見されていない…こっちで名前が付けられていない…)


一通り自分の中で、思案し

出来上がった仮定を確信にするべく、ミナミに話しかける


「前にさ、僕、塩を使ってアヤキを作ったんだよね」

「へぇ!そうなんだ!美味しそうだねぇ♪

今日の夕飯それにしようかなぁ?」

「あ、それは全然良いんだけど…

それを作った時に、説明文の中で調味料が『塩』って書かれてたんだ

つまり…塩はこっちでも塩って名前って事だよね…?」

「ぇ…そうなの?!

うーん…でも、塩なんて名前の物…知らないなぁ…」


ミナミは目を閉じて、自分の中の情報を探すが

『塩』で思い浮かぶ物は、前世の塩だけだった


「つまり、この世界では、まだ見つけられていないって事!

見つけて鑑定したら、きっと塩って出るハズだよ」

「確かに、その可能性は高いかも…

まぁでも、発見されていない…って事は、何処にあるのか分からない…

って事なんだけど…」

「ハハハ…まぁ、そうなんだけどねぇ~

でも、食材とかは町の近くで採集できるじゃん?

案外、塩も身近にあったりして?」

「ん~…どうかなぁ?

何とも言えないけど…身近にある可能性は否定出来ないかなぁ」


まだ知られていない所も、多くあるだろう

探せば意外と身近に…という可能性も0ではない


(問題は何処を探せばいいか…だよなぁ…)


アテが無いというのは、なかなか大変だ

しかし、皆が知らない物なのだから

情報は自分で集めるしかない

というか、見つけるしかない


(仕方ない…ゆっくり探すか)


急いでも、イライラしてしまうだけなので

ユウキは、そのうち見つかるだろう…程度で考える事にした


「さて、クッキーも食べ終わったし…

ギルドにでも行ってくるよ

あ、ミナミ…パーティ組んで仕事を受けてさ

報告には一人しか行かなかったら、面倒な事になるかな?」

「あぁ…それはねぇ…

分配とかもあるから、一緒に行った方が良いと思うよ」

「やっぱり?

しゃーない…じゃあ、他に依頼があるか見て…

(あ…あと、あの件どうなったか…もう分かるかなぁ…)

無ければ、生産するか…」


そう言って、ユウキは椅子から立ち上がると、ドアの方へと歩いていく

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