釣り
「さーてと、釣りするか」
ユウキは周りを見回しながら、川へ近づいて行く
大きな岩はあちこちにあるが、他に魔獣の姿は見られない
「ちょ…ちょっと…ブラウンロックベア一撃って…
アナタ何者なの!?」
「もぉ~煩いなぁ…何者も何も、ココで暮らしてる一般人だけど」
「一般人の子どもが、あの魔獣一撃で倒せるわけないでしょ!!?」
「知らないよ、僕は倒せる…ただそれだけ
んじゃ、魚釣るから邪魔しないでよね」
「もぉぉ!!こっちが心配してあげてるのに!!」
「いや、お前の現状余計なお世話だからな
俺も、コイツも一人で大丈夫だって言ってるのに
自分で見るって追いかけてきたし…」
「そりゃ…こんな子どもが…」
「それは、アンタの中の普通の子どもだろ
僕は僕なの、一緒にしないでよね」
「なっ!!?」
釣り針に魔力をくっつけ、シュッと川に向かって投げる
「俺も釣るか…」
そう言って、アレンはユウキの横に腰掛ける
置いて行かれたミレイはワナワナと怒りやら何やらで震えている
しかし、そんなミレイの事を特に気にしていない2人は…
「お兄さん釣り出来るの?」
「そりゃ、一応野営とかで必要な分釣るくらいにはな…」
「そうなんだ」
「もう!私帰るからね!!!」
2人は釣りを始め、置いてかれたミレイは
ヤケクソになって、そう叫ぶ
そんな言葉で2人が慌てるわけはなく…
「うん、帰っていいよ」
「帰るなら、気を付けて帰れよ…
まぁ、気を付けるも何も…倒した奴まだ再発生してねぇから
何の問題もないだろーけどな」
「ちょっとは心配しなさいよ!!」
「いや、この人が問題ないって言ってるけど?」
横に座るアレンを指させば、うんうん…と頷いている
「再発生してるかもしれないじゃない!!」
「いや、あの魔獣の再発生に必要な時間は1時間だ
まだまだ余裕だな」
「倒し残しがあるかもしれないじゃない!!」
「1匹や2匹、自分で何とか出来るだろ…
そもそも、攻撃領域に入らなけりゃ問題ねぇしな」
「もぉ~~~~!知らないんだから!!」
言い返す言葉が無くなったミレイは、ズンズンと荒々しく
元来た道を戻って行った
「これで、ゆっくり出来るな」
「そうだね、煩い人がいたら、魚が逃げるかもしれないし」
そう言った瞬間、ユウキの釣り糸がピンッと張る
「お、きたぞ!」
「分かってる!」
ユウキは思い切り、リールを巻き、魚を引き寄せ…
力一杯引き上げる
「やったー!魚ゲットー♪」
ザバッと水から出てきたのは、タイのような見た目の魚だった
ただ、普通と違うのは…
「つーか!でっけぇーな!!」
大きさは1mあるだろうか…かなり大きな魚だ
この1匹でどれだけの人が満腹になるだろうか…
「そぉ~か?タタイなら、このサイズが普通だろ」
「そ…そうなの…か?(タタイって…この魚の名前だよな…?)」
「あぁ…お!こっちもかかった!」
そう言って、アレンが釣り上げたのは…
「あ…そうそう言い忘れてたが…」
「いや、最初に言ってくれよ…
ミナミも釣り道具売ってくれた店主も…アンタも…」
ザバッと水から踊り出てきたのは、一言で言うとクラゲだった
そう、クラゲのような見た目…
うねうねと触手を動かし…
ドゴッと2人のいた地面に突き立てる
「魔獣も釣れるって!!!!!」
「いやぁ…よくある事だからな」
「僕は今初めて釣りしたから、知らねぇよ!!!」
「親から教えてもらったりは?」
「してねぇよ!!そもそも親いねぇし!!」
「おや、それは悪い事を聞いたかな?」
「別に!…てか、この魔獣どうすんだよ!?」
「倒すに決まってるだろ」
「だよな!!!!(魚が釣れるか魔獣が釣れるか…なんだな!!!)」
クラゲの攻撃を余裕で避けた2人
アレンはすぐに武器である弓を構える
そして、ユウキは…何にしようか…と迷っている
「コイツ相手なら、飛び道具が良いぞ
水の中に着地でもしてみろ…さらに魔獣との連戦になる可能性がある」
「そっか!了解!」
使う物が決まったユウキは、素早く銃を装備する
2人が狙うは勿論、クラゲ
「さっさと片付けて、釣りの続きしなきゃなんだから
早く倒れてよね」
「んじゃ、俺から!」
バシュッと矢が放たれ、クラゲに突き刺さる
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます