パソコンについて

「んじゃ、この後の行動は決まったから良いとして…

次の問題はコレなんだけど…」


と言ってユウキが指さしたのは、自称神様が置いていったパソコンだ


「どー見てもパソコンなんだけど…何でいきなり、ココにあるのか…」

「つーか、パソコンなんだったら、普通に使ってみれば良いじゃねぇか」

「安易に触れて良い物か…どうか…

鑑定しても『パソコン…情報を閲覧できる』くらいしか出てこないし…」

「あ、それはね、神様が情報検索ツールとしてくれたんだよ!

向こうの世界と繋がってて、情報を見れるんだって!」


ミナミがそう言った瞬間…

2人は「はぁ?!」と…嫌そうな顔をした


(あれ?何でそんな嫌そうな顔…?)

「何で情報を検索しなきゃなんねぇんだよ…

だいたい、向こうの情報こっちで使えねぇだろ」

「…そうゆう事ね…あ゛~…くそ…

自称神様に借りが出来たかと思うと…嫌だな…」

「どういう事だよ…」


キョウヤはどうして向こうの世界の情報が必要なのか

その理由が全く分からず首を傾げる

それもそうだろう…向こうの世界にこっちの世界の

常識やら攻略法やら…そんな物は無いのだから


「スイーツだよ…

こっちの世界の食事情は知ってるだろ?

ミナミと話してる時に、スイーツ食べたいな…って話になって

作ろうかと話したんだけど、材料の分量なんて覚えてないから

どうしようかと話してる時に、あの自称神様が話しかけてきたんだよ」

「スイーツ食べたいから作ろう…って…お前女子じゃあるまいし…」

(ユウキちゃんは女の子だよ!!?)

「別に珍しくもないでしょ…だいたいスイーツ作って店で売ってる人

男性の方が多いんじゃね?」

「…どうだろう…でも、それなりの人数はいるよな…」

「だから、別に男で菓子作ろうとか思っても普通だと思うけど」

「…はぁ…確かにな…」

(ユウキちゃんも、男でも何の問題も無い…って方向で

話まとめたし!!!?女子だから…でいいじゃん!!)


ユウキとキョウヤの会話は

ユウキの性別を知ってるミナミにとって、ツッコミ所しかない

しかし、ユウキから性別はキョウヤに教えるな…と言われている

そのため、必死に声に出さず…心の中でツッコミを入れている

まぁ、そのため誰にも伝わらないのだが…


「はぁ…借りは嫌だけど…でも、必要だしなぁ」

「何で、借り作るのが嫌なの?」


ミナミの問いにユウキは少し考えて


「何だろう…ゲームするのに、最初から攻略本あっても面白くないじゃん?

それと一緒…かな?

それに、アイツの力を借りなきゃダメとか、嫌だろ!?

何かズルしたみたいでさぁ!!?

てか、アイツの力を借りずに生きていけると証明したい!…って感じかな?」

「そ…そうなんだ…

でもさ、ケーキとかって…こっちに情報無いから仕方ないんじゃない?」

「…はぁ~…そうなんだよなぁ~…」


ミナミの言葉に、ユウキは大きなため息をつく

この世界に無い物を作ろうとしている今

情報はココには無いわけで…

でも、だからと言って、簡単に向こうの情報を見るのも

少し気が引ける…


(でも…のんびり分量考えながら開発みたいな経過辿るのも嫌だし…)


出来上がるまで、時間がかかり過ぎるのも困る

早いうちに、甘い物が食べたいのだ…

あまり悠長な事は言ってられない


「はぁ…しゃーないか…」

「そうそう、神様も美味しい物が増えるのは嬉しいって言ってたし!」

「なるほど…美味しい物を増やすために、僕達に手助けする…って事か

じゃ、いっか…向こう側にも利益があるなら…ね」

(今、ユウキちゃんの頭の中で

貸し借りが帳消しになったのかな…?)


さっそくパソコンの電源を入れる

普通のノートパソコンで、無線で繋がっているのだろう…

マウスが一つ横に置かれている


「つーか、向こうの世界の人に、こっちの世界の事教えたら

面白いんじゃね?」

「おぉ!」


キョウヤのその提案に、ミナミは楽しそうだと賛同した

しかし、ユウキは呆れた顔をしている


「あのなぁ…向こうの世界の情報が見れる…ってだけだろ

多分、このパソコン…こっちから書き込みなんかは出来ないだろうねぇ」

「はぁ!!?繋がってる意味ねぇじゃん!」

「いや、意味はあるって…作り方分かるから」

「と、とりあえず、試してみたらどうですか?」


相変わらず呆れたままのユウキに

おずおずと、ミナミが声をかける

確かに、ミナミの言う通り、実際にやってみるのが一番だ


「んじゃ、このレシピにコメント送ってみるぞ」


そう聞いて、2人はパソコン画面が見れるように

ユウキの背後の方へと移動する


「えーっと…『美味しそうですね…』…っと…

良し、送信」


送信のボタンを押した瞬間に出てきたのは…

エラーという3文字だった

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