考えてみよう

(確か、ミナミの体は、召喚魔法の時に出来たって言ってたよね…

そして、僕達との最大の違いは既に死んでいた…という事

僕とキョウヤの場合、肉体は前の世界の物を基本として、使われていた

つまり、体のスペックが向こうの世界のままだったから

この世界に来ても死なないように…という事で、才能という名のサポートがついた…

と、考えると…ミナミの体はこの世界のスペックになっているから…

サポートを付けるための条件みたいなのに引っかかって

最低限しかついていない…と考えたらいいのかな…)

「何か、オカシイ所でもある…?」


考え込むユウキに不安になったのか、ミナミが声をかける

一方、ユウキはミナミの声にハッとなり、視線をあげた


「いや、ゴメンゴメン…オカシイ所は無いと思うよ

とりあえず、鑑定が無いのに、物を普通に使える所らへんは理解出来たよ」

「ユウキちゃんは鑑定が無いと分からないの?」

「うん、まぁ、そうだねぇ~…明らかに分かるのもは分かるけど

例えば、魔石…さっきミナミは普通に水を出してたけど

あれを初めて見た時はどう使っていいのかが分からなかった

だから、鑑定して使い方を知ったんだ」

「でも…何で私は鑑定も無いのに、知らなかった物を、知ってたんだろう…?」


分からない…とミナミは首を傾げる

その仕草は、大人…というよりは幼く…しかし、違和感は無かった


「多分、その体がこの世界の物で出来てるからじゃないかな?

この世界の事は情報として、その体の中に組み込まれている…

とでも言えば分かりやすいかな?」

「私の意志とは関係なしに、この体が知ってる…って事…?」

「そういう事…ミナミは何でこっちの世界に来たか…

その経緯は聞いてる??」

「うん、聞いてるよ!向こうの世界の輪廻から外れて彷徨ってる時に

こっちの世界の人がした召喚術に巻き込まれてこっちに来たって」


ミナミの話を聞き、自分自身が神様から聞いた情報と間違いが無い事を確認したユウキは

うんうん…と頷きながら聞いていた


「ミナミの体は、この召喚に巻き込まれた時に作られた物…

召喚術の中に組み込まれていたって事は、召喚したら何か利用用途があったはず

何もかも無知の状態では困るだろうから、この世界の基礎情報は体に組み込まれていた…

と考えるのが自然かな…」

「利用用途!!?」

「戦闘なのか、手伝い系なのか…それは分からないけれど…

何の用も無しに、召喚術はしないと思うけど…

あぁ、もしかしたら、新たな召喚術とかで、功績とかにつながる…

とかかもしれないけど…」

「結局、召喚術をした人の所にはいかなかったから…

私的にはコレで良かったのかな?」

「…まぁ良かったかどうかは分からないけど…

とりあえず、今の現状が悪いにはならないから、良いんじゃない?」

「そうね!どんな用事で呼ばれたか知らないけど…戦闘なんて出来ないし!

私はのんびり自由に生きたいんだよね!

だから、ココが一番!」


そう言うミナミの顔はニコニコしていて

まぁ、そんな感じでいっか…とユウキも笑ったのだった

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