あの時の真実

「ってか…お前…何でこんなに一杯抜けてるんだ!!?」

(あ、これは前の事を含め、説明しなきゃいけないパターンやん…

面倒だから、キョウヤの前で採集したく無かったのに…仕方ない…)


ピーマの謎がある程度分かった所で、キョウヤはふと周りを見る

周りには、既に抜けているピーマが9本ほどある

ちなみに、1本につき約10個ついているので

単純計算で90個となる…

キョウヤの中では、普通に採集したらオマケな感じで1本とれる…

という認識のため、周りを見れば9本もある…というのは、異様な光景だった


「キョウヤも1回採集したら、もう1本採れるだろ?」

「あぁ、何か、オマケみたいな感じで、もう1個手に入るな」

「…キョウヤ、ホントに説明見てないよな…

採集はレベルが上がったら、1度に採集出来る量が増えるんだ

今のキョウヤなら2~4本が最大…

僕なら、10本が最大って所かな…」

「なっ…じゃあ、お前がこないだ採集で負けたのって…

1回しか採集してなかったからか!!!?」

「まぁ、そういうわけだよね」

「っ!!!」


ある程度隠しておこうと思った事実は、不測の事態で自白する事となったのだ

キョウヤはユウキから聞かされた真実に、ショックは大きい

何せ、1つでも勝てるところがあると喜んでいたのに

それすら、ちゃんと勝負されていなかったのだから…

本当の意味では、全然相手にならなかったのだから…


「まぁ、そう落ち込むなよ…キョウヤも採集していけばレベル上がるしさ」

「…くそぉ…絶対、一杯採集してスキル上げてやる!!」


そう言うが早いか、キョウヤはピーマの採集に取り掛かる

少しでも沢山採集して、スキルを上げたいのだろう

やたらめったら引っこ抜いている

その姿を見ながら、ユウキは…


(…抜かしたいなら、ホント、僕以上に頑張らないと…なんだけどね…)


3日だけ先輩なユウキ

たった3日だけれど、ユウキは元々の好奇心から、かなりの量のスキル

また、魔法を手に入れている

これが普通の人なら、いくら才能という加護をもらっても

そこまでの結果にはならないはずだ

そのユウキに追いつき…追い越す事を目指すなら、かなり頑張らないといけない

というか、一緒に行動していたら、ユウキもレベルアップするので

追いつくには難しいのだが…キョウヤがそれに気付けるのだろうか…


(ま、早くこの辺採集して、次の場所に行かないとだな)


ハイスピードで採集していくキョウヤを見ながら

ユウキはいつものスピードで、採集を進めていく

結果…


☆スキル:採集のレベルが1上がりました☆(ユウキ)(キョウヤ)


「はぁッ…はぁッ…ど、どーだ!100個採集したぜ!

しかも、スキルもレベルアップだ!」

「そうなんや…僕は250個ゲットで、ついでにスキルアップだな」

「あぁぁぁ!!!くそぉ!次は負けねぇ!!!」

(いや、普通にスキル考慮して無理だろ…)

「ハンデとかいらねぇからな!!俺が絶対勝つんだ!」

「そ、そっか…」


普通に考えたら諦めるだろう事なのに

キョウヤは、勝つんだと気合を入れていた

ユウキは、そんなキョウヤに、苦笑いを返す事しか出来なかった

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