草であっても…

「日が暮れても知らねぇからな!」


そう一言残して休憩を始めた

ユウキとしては、その方が有り難い

採集している姿を見せなくて済むのだから

体感時間ならば、いくらでも誤魔化せる

テキパキと体力草を採集して230個手に入れたのだった


「はい、採集出来たから行くぞ」

「は!!?そんなに時間経ってねぇと思うんだけど!!?」

「結構時間かかったよ

 休憩してたから、時間の感じ方がゆっくりなんじゃない?」

「…そうかなぁ…(まぁでも、全部採集してるみてーだし…それなりに経ってるのかな)」


若干首を傾げているが、それ以上問い詰めてくる事は無かった


(草原には時計ねぇからな!ラッキー♪)


2人は次の採集地へ向かう


「えーっと…活性草…かぁ…

 どんな草なのか知らないけど…意外と近いんだな…

 (森まで行かないといけないのかと思ったけど…)」

「この地図の場所行って、そこに生えてる草がそうだろ」

「まぁそうなんだけどね…」


2人は歩く

何故って…それはキョウヤが疲れているから

休憩したから…と言っても、体力はそこまで回復していない

HP上は何の問題も無いのだが、疲労感は別にあるのだ

まぁ、ユウキが「疲れた?」と聞いたら「疲れてねぇ!」と返って来るのだが…

歩いてる様子を見ても、少しゆっくり目で丁度いいようなので

疲労がたまっているのは、見てとれる


(今日は急がなくてもいいように依頼受けたんだし

 とことんキョウヤのペースに合わせよう)


と、のんびり歩いたので、目的地まで20分程かかったのだった

着いた所には、背の高い草が沢山生えており

ユウキがその草むらに入ろうものなら、見つけられない自信すら持ててしまう…

それほどに高い草が生えていた


「デッカイ草だな…身長分けろや…マジで…」

「お前、草とまで張り合ってどうすんだよ…」

「(僕と張り合ってるお前には言われたくない)別に良いだろ…」

「まぁ、ダメとは言わねぇけど…」

(とりあえず、この草多すぎだろ…肝心の活性草が見えねぇ…

 …って、活性草見た事ねぇや…とりあえず、この草…何て名前だ…?)


ユウキは目の前にあるデッカイ草を、鑑定する


◇活性草◇

草のままでは、特に何の効果も無い

加工する事が出来る


(…草のままじゃ使えない…

 つーか…これって確か…)


薬術のレシピを開いて、ある薬の材料を見る

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