ポーション

「…まぁ、それは、近いうちに何とかするとして…

 とにかく今は、これの続きだな」


水とすり潰した葉をかき混ぜて

その乳鉢を手に持つ


「ポーション作成!」


そう言うと、乳鉢の中にある液体が光り、綺麗なオレンジ色の液体が出来上がっていた


「…これって、砂糖とか入れてないから

 まさか、苦いままなのか…?」


今までポーションを使った事がないユウキ

体力草が苦いのは鑑定の説明から知ってはいるものの

ポーションの鑑定画面を見た事が無いので

どのような説明になっているのか分からない


「って、鑑定すれば良いんじゃん」


◇ポーションの液体◇


HPを50回復する薬

特に味はなく、飲みやすい

入れ物に詰める事で、ポーションとして、販売出来る


「なるほど、味はついてないのか…

 僕としては、甘い方が飲みやすいけど…

 あぁでも…沢山飲む場合は、味ついてない方が良いのかな…?」


そもそもポーションに味が付くかどうかは分からないが

そのうち、試してみようと決めるユウキ


「さて、残りの体力草は99個だけど…

 体力草は入手しやすいからなぁ…

 でも、依頼でも結構ある依頼だから

 少しは、そのまま持っておきたいかな?

 って事で、残り49個をポーションにするか♪」


使わない体力草50個はインベントリに片付け

出してある49個の体力草に向かい、ある事に気付く


「…これ、一気にすり潰せねぇ…」


乳鉢では、どう頑張っても2枚の体力草が限度だ

そして、そのままそうするなら、同じ作業を25回しないと

全部終わらない


「それは、とっても面倒なんだけど…

 っと、その前に入れ物だよな…」


現在進行形で、乳鉢には先程作ったポーションの液体が入っている

このままでは、乳鉢すら使えない


「えーっと、ポーションの入れ物は確か…」


錬金術のレシピを開く

ポーションの入れ物に限らず、薬を入れる入れ物は錬金術で作られる

そして、その入れ物は初級で作る事が出来る

材料も、とても簡単


「MP2で作成できるとか、凄いよね…」


錬金術に限らず、この世界でも無から何かを作り上げる事は出来ない

しかし、この世界特有の魔力…それは、何にでも変化させる事が出来る

いわば、万能な素材なのだ

まぁ、万能であるがゆえに、何にでもなれるが

どんな物になっても、普通レベルだ

良作や傑作などという物に、なったりしないのだ


「まぁ、入れ物だから、別に普通レベルで良いんだけどね」


ユウキは、手に魔力を込める

イメージするのは、細く小さいプラスチック製の入れ物

勿論、フタ付きである

用途は薬を入れる物だ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る