ギルド

「ごちそうさまでしたー」


ユウキがそう言って、出口に向かうと

受付の女性がニッコリ笑ってお辞儀をしてくれた

接客は、前の世界とほぼほぼ変わらないだろう


「とりあえず、ギルドだな…えーっとギルドは…」


マップを開いて探すと、今いるセリア通りと平行して通っている太い通り

ラーグ通りにギルドはあるようだった

ユウキはそこに向かうために歩く

昨日とは違い、今いるセリア通りも人通りが多く

様々な人が行き交っている

色々と店があるが、今はあまり手持ちがないので

今はスルーッと抜けて、十字路を右に曲がる

すると、遠くからでもギルドと思われる建物が見えてきた


「あれだな!レッツゴー♪」


ラーグ通りは人が多く、流されそうになったが、何とか抜けて

ギルドの前に到着した

ギルドは、結構大きい建物で、レンガ造りの3階建て


「よーし、頑張るぞ!」


気合を自分に入れて、ギルドの木製ドアを開けて、中に入る


「うわぁ~…」


中に入ると、そこはエントランスになっているのか

広い空間があり、テーブルやイスなどが置いてあり

休憩やら待ち合わせなどが出来るようになっている

そして、入って右手側の壁一面に掲示板がズラリと並んでいた

反対側は、喫茶店なんか少し飲み物を販売している店が見える

真正面には、長いカウンターがあり、そこに受付の人が沢山いるのが見えた

ユウキは迷う事なく、真っ直ぐ進み、受付に行く


「おはようございます!ようこそラグーンギルドへ!」

「おはようございます!冒険者登録をしたいんですけど…」

「まぁ、そんなにお若いのに、もう冒険者登録をされるのですね」

「な、なんかマズイの?」


宿屋の受付のおばさんにも、若干哀れまれ…今目の前にいるギルドの受付の女性にも

何だか、可哀想…という目で見られている

この歳で冒険者登録する事は、そんなに可哀想な事なのか…

この世界に来たばかりのユウキには分からなかった


「ギルドでの冒険者登録は14歳になりましたら、基本的にどの方でも出来ます

 しかし、ごく一般的な家庭では、20歳くらいまでは

 遊んだり、学校で学んだりする事が多いのです

 貧しい家になると、そうもいかず14歳で冒険者登録する事も稀にありますが…」

「…なるほど…(だから、哀れみの目を向けられたのか…)

 別に僕自身が望んで登録しに来たので、大丈夫ですよ」

「なるほど…強制では無いのですね…

 確かに、あなたの雰囲気も、そんな哀愁漂っていませんし…大丈夫ですね」

(なんだ、その基準は…)


曖昧な決定打に、心中ツッコミを入れていたが

受付のお姉さんは、引き出しから紙を1枚出すと、ペンと一緒にユウキに差し出す

ユウキは、紙を受け取り内容を確認する

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