現状把握

『ココは世界の狭間で、お前は前の世界で寝てる時に

 俺の部下がミスをして、釣り上げてココまで飛ばしてしまったんだ』

「はぁ?!何その、釣りしてて間違って違うもの釣っちゃった的なノリは!!?

 間違ってたなら、リリースしろよ!キャッチアンドリリースは大事だぞ!!」

『ココに飛ばされるまでなら、何とかそれも出来るんだがな…

 ココまで飛ばされてしまっては、それも出来ない』

「ていうか、何で僕は釣り上げられてんだよ!!!

 僕は川なんかで寝てないぞ!」

『あぁ…俺の部下が地球という所で釣りをしていたんだ』

「ちょっと待て、地球にある川や海で釣りは出来るが

 地球は釣り場じゃねぇよ!」

『いや、俺達からすれば地球が釣り場なんだ』

「は?海や川じゃねぇと、魚は釣れんよ?」

『俺達が釣るのは、魚じゃない…死期の来た魂だ』

「って事は死神か!!?てか、僕死期が来てたの!!!?

 まだ若いんだけど…マジか!!?」

『まぁ、神だから、死神と言われても否定は出来んが…

 とりあえず、お前は死期が来てたんじゃない』

「え…ちょ、死期が来てないのに、釣られたら困るんやけど!!?

 何で釣っちゃったんだよ!!?」

『それは、部下が死期の魂を釣るのが初めてでな…

 予定していた物がなかなか釣れずにイライラして

 本来かけるはずの制御魔法が上手く働かなかったのだ…

 制御魔法は心を落ち着けなければ、上手く発動しないのでな

 そして、かかった感覚に喜び、力加減も忘れて思いっきり引いてしまったんだよ

 本当なら、魂が合ってるか確認するまで、

 その世界から魂を完全に引き上げてしまってはいけないのだが…』

「…僕って、完全に引き上げられてますよね…」

『そうだな…そのせいで、この世界の狭間に飛ばされてしまったのだ

 本当に申し訳ない…』

「はぁ…マジか…って事は、僕死ぬしかないの?」

先程までの、コントじみた陽気な雰囲気から

一気に落ち込みモードにまで下がる

それも無理はないだろう…死んだと言われているのだから

そして、まだまだ若いのだから…


『いや、こちら側のミスでこうなってしいまったのだ

 元の世界に戻す事は出来ないが、別の世界へ移転出来るようにしよう』

「ぇ…マジで!!?」


先程までの、どんよりした空気は何処に捨ててきたのか

コロッと雰囲気が変わり、少年風の人は長身の男性に詰め寄る


『本当だ…とりあえず、名前を教えてくれないか?』

「僕は、木原祐樹、25歳です!」

『え?25!!?』

「驚かれるのもなれたもんだよ…」

『すまないな…25には到底見てなかった…14・5かと…』


こんなやり取りは慣れているのか、祐樹は特に気にしている感じでは無かった

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