・太平洋戦争

　昭和と呼ばれた時代。大日本帝國は袋小路に追い込まれた経済状況を打開するため、無謀な戦争を挑んだ。

　当時の列強諸国に及ぶべくも無く、戦況は劣勢。同盟国のイタリアは降伏、ドイツも逼迫した戦線の維持に追われていた。

　状況を打破したのは突如旧首都東京へと降り注いだ謎の結晶。ウォーパーツと呼称される兵器に加工した旧日本軍は、適合者として覚醒した英傑を切り札とし、破竹の逆転劇を繰り広げる。

　しかし、アメリカの火力は凄まじく前線は泥沼化。ドイツの欧州制圧を理由として痛み分けの条約を以て戦争を終結させる。

・ドイツ帝国

　かつて欧州全域を席巻していた大国。ウォーパーツを駆使した圧倒的な軍事力を以て世界を制していた。他国へは高圧的な態度を取り、取り分けアフリカ諸国に対しては理不尽な植民地支配を続けていた。

　時代に逆行した国家体制に国内で蜂起、同盟国の日本皇国からも見限られて脆くも崩壊した。

　同領域は世界仲良協会（フリーデンカーツェルト）と称する珍妙な連中が支配。アフリカ諸国は支援的解放に導かれたが、高圧的平和外交はそれはそれで各国の不信を買った。

・オカルト

　有史以前より信じられていた超常の力。人が己の信心と研鑽により結晶化した人の御業である。本来は世界真理の探求のために編み出された秘奥。そのためか、自らの寿命を延ばす術が幾多に生まれている。

　高度に発達した科学技術は魔法と見分けがつかない。広義的には科学技術もオカルトに含まれるが、地下に潜む一派は断固として否定している。

　因みに、かのヘルメス卿は入浴の際にご自慢の錬金術で水を出して湯沸かし器で沸かす。色々試した結果、色んなコスパが最良らしい。

・魔女っ子

　世界仲良協会の渉外担当ヘルメス卿。彼女の日本好きは一部で有名である。

　極東の食文化とサブカルチャー文化はただの趣味として嗜んでいるが、それが仕事に影響を与えていることは想像に難くない。『勇者（ブレイブ）』とも交流があった彼女は、そこを彼に付け込まれて、乗せられて、今の服装になった。本人はいたく気に入っている。

　彼女の趣向に付け込んだ外交は今も引き継がれていて、島国根性上等文化が欧州との関係軟化の鍵だと特務二課司令は睨んでいる。

・英雄色を好む

　母親を知らない少年は無自覚に愛を求める。可愛がられ、慈しみを向けられることに悦を感じる。

　年上好きの心理には愛の足りない少年時代を過ごした故という研究もある。可愛がられることに悦びを感じる少年の姿には、母性愛がくすぐられるらしい。結果としてお姉さん方に可愛がられる少年はご満悦である。

　少年は知らない。そういう男は往々にして恋愛対象として見られていないことに。

次回→曇天決戦、頂機関

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい