一章 決断と決別そして死

第8話 グループ分け

 結局は始祖魔法がなんなのか判らずにおわってしまったがなんだったのだろうか。


 昨日の騒動から一夜明け、俺は会場へ向かっていた。その途中で神崎さんと神代を見かけたた何が話していたようなので声をかけはしなかった。会場へ入ると、王様と王妃様がいつ置かれたか分からない巨大な水晶?のようなものの前に居た。そして騎士5名と魔術師5名が俺たちの横で並んでいる。


 その中に昨日会った騎士が居たので驚いていると目が合った。しかし騎士は何事もなかったようにすぐに目線をずらされた。


 それから少したつと俺たちの入ってきた扉から今度はメイドが入ってきた。メイドは俺たちの後に並んだので俺たちは囲まれた形になった。メイドが整列し終えると今度は王様が口を開く。


 「勇者様方!よく集まってくれた!早速で申し訳ないが残るかどうかを聞かせてもらえないか!」


 いきなりの大声に驚くが、残るかどうかを決めたものは前に出て王様達に伝えていった。


 やはり帰りたい者が多いのか王様の顔は少しずつ暗くなっていった。それからも一人、また一人と帰る事を決めた生徒が前にでていく。


 そして帰る事を決めたクラスメイトが12人になりそこで一度流れが止まった。残っているのは未だに決められずあとなにか背中を押してくれるような者がいればそちらになびくような者たちがほとんどの時、再び一人が前に出た。


 「ぼくはここに残ります。」


 それを聞いたクラスメイトは驚き一気にざわついていた。王様もいきなりそう言われ暗く落ち込んでいた顔色が希望に満ちたような顔つきになっていった。


 「僕はこの世界のことを何も知らないけど、困っている人が居たら見すごせないですからね!これからよろしくお願いします!」


 そう言った彼…神代 正は胸を張っていた。それからは早かった。元々クラスの中でも影響力のあった彼に流されいつも彼のそばにいたクラスメイトはそのまま残ることになった。


 そして遠藤直樹が残ることを伝え、彼と菊谷一輝、紀村美貴の3人はいつも虐めている村神龍忌は残ることに決められていた。


 そのあとは再び帰る事を決めたクラスメイトが現れ、残すは俺だけとなった。


 「あー、残りますよ。ただ、この世界を色々と見てみたいので、訓練がある程度終わったら旅に出てもよろしいですか?」


王様は驚いていたが少し考えたあと訓練の後に付き人と一緒ならと許して貰えた。


 ちなみに神崎さんは神代に誘われたからかこちらに残って神代のグループにはいるようだ。


 クラス全員に聴き終わったあと残るグループと帰るグループに分かれた。帰るグループは準備ができるまで城で過ごしてもらうそうだ。残るグループはこのあとステータスの確認を行い、さらに2斑に分かれ魔法の訓練と接近戦の訓練を行うそうだ。


 そしてこの会場には残るグループだけになったとき王様が口を開く。


 「これからステータスの確認を行うので今私の後ろにあるこの魔道具に手をかざしてくれ。そうすればこの水晶の中に自分のステータスが映し出される。ステータスはできれば全員で把握し合っていたほうが連携はとりやすいだろうからここまで大きいものを用意した。では一人ずつ手をかざしてくれ。」


 王様が言い終わったあと神代がすぐに前に行き手をかざした。水晶には名前から順に映し出されていく。

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