第5話 神話について
神崎さんと別れたあと俺は王城の中を当てもなく走りながら人を探していた、とにかく誰でも良い城の関係者ならと思いながら。一人でも見つかればそこから城の関係者や、王様まで広まるだろう、もしかしたらすでに気づいているかもしれない、そうであって欲しい。
それからすぐに2人見つけた。格好からしてメイドの人と騎士の人が話をしている。メイドの方はシオンさんではなかったが、身長はシオンさんと同じ位だったので一瞬見間違えた。騎士の方は見たことは無いが傷がほとんどついていない白銀の鎧を身に纏った身長180近い男性の騎士だった。
「すみません。聞きたいことがあるんですけど。」
そう声をかけると騎士とメイドは俺がここに居ることに少し驚いたのか目を開いた。
「あの…?」
「あぁ…すまない。君がここに居ることに驚いてしまった。他の勇者様方は部屋に居るのかい?」
「えぇ、僕が来たのは聞きたいことがあったんです。ステータスの事で。」
そう言うと騎士とメイドはまた驚いていた。そういえばステータスの事をまだ話していなかったからだろう。
「そうか、ステータスはもう知っていたのか。それで?何を聞きたいんだい?」
そう言われてまずは俺がここに来るまでの経緯を話した。騎士とメイドは始祖魔法と言う言葉に聞き覚えがないようだった。この世界での魔法は古いものを古代魔法と言うようで、始祖魔法については学園で習っても聞いたこともないそうだ。騎士とメイドの2人はすぐに自分のステータスを確認したのか安堵の表情を浮かべていた。
「私たちには影響がでていないようだ。他の騎士や王にもこの事すぐに知らせに行ってくる。勇者様方にはその神崎様から伝わっているだろうからとりあえずは部屋で待機していてくれ何かわかったらすぐにそちらにも連絡する。」
そう言って騎士の彼はどこかへ走って行った。メイドの方も他のメイド達に聞いてくるようで話の途中で他の人達に知らせに行った。俺はとりあえず部屋に戻ることにしたのだが、あまり周りを確認して居なかったのでこの場所がどこなのか分からなかった。
うん…迷った…。
とりあえず今度は歩きながらメイドの人を探して部屋の場所を教えてもらうことにした。少し歩くと前の方に先ほどのメイドとシオンさんが話していた。声をかける前に気づいたシオンさんは先程のメイドと話を切り上げ、こちら側へ向かってきた。
「ショウ様は部屋に戻られたのではなかったのですか?」
「いえ、部屋の場所が分からなくなってしまって、案内お願いできますか?」
「あぁ、この城広いですし場所なんてすぐ覚えられないですよね。分かりました。私からも話したいことがあったので。まぁそれは、歩きながら話すとしますね。」
話したいこと?シオンさんが?なんだろうか。
「…始祖魔法についてです。」
そう言われて俺は驚いた。先程の騎士とメイドに聞いても分からなかったのだから。
「と言っても、私も推測でしか無いですからね。ショウ様はこの大陸の神話をご存じでは無いでしょう?」
「神話…ですか?」
「えぇ、その神話にでてくる魔法は全て古代魔法と言われていてこれは神々が使っていた魔法とされています。始祖魔法についてももしかしたら神話の時代にあったものなのかもしれません始祖魔法と言うくらいですしね。ただ、それがなぜ今勇者様方に介入してきているかはわかりませんよ?」
「いえ、それだけでも十分です。神話について聞かせてください。」
そうして部屋に戻るまでにこの大陸のの神話のを教えてもらった。その途中で出てくる古代魔法や神が何柱してなにを司っているか等何があったのかについても。
話しているうちに部屋についたので、シオンさんにはお礼を言い別れた。この世界にも美徳と大罪があるようで地球にあるものと言葉や数もが同じだった。それぞれの意味をよく知らないし、そういった事に興味が無かった俺は言葉を知っていただけなので神話については良い勉強になった。
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