後日談短編11:パパとママの馴れ初め2

「誰が我が儘だって?」

庭のテラスに突然現れたのは、現国王であるファロだった。こうして近くで見比べてみると、やはりお父さんそっくりである。異なる点と言えば、一人は上機嫌な顔をしていて、もう一人は不機嫌な顔をしているということか。

「どうした、ファロ。お前も入れてほしいのか、ん?」

羨ましかろう、と同じ顔でニヤニヤ締まりなく笑うのは前国王である。わざとらしく、見せつけるようにショウタの手土産のフルーツジュースを口にし、「嫁の手作りジュース最高!」とかいうから、分かりやすく息子の額に青筋が浮かんだ。


「もう十分楽しんだだろ!ショウタは返してもらうからな」

そのままヅカヅカとショウタに歩み寄り、腕をぐいと引っ張った。蝶の一族の腕力に勝てるはずもないので、そのままズルズル引きずられていく。

「あ、あのっ、お邪魔しましたっ」

過去の経験上、ファロは絶対に有言実行すると知っているショウタは、無抵抗に何とかお礼を口にする。それにひらひらと手を振って応える両親も、こうなることは予測していたのだろう。


あっという間にいなくなった二人を見送り、皇太后と上皇だけが残された。

「あの子は遅い反抗期ですねぇ」

「ワシのせいだとか、言いたいのだろう」

「ええ、勿論。嫁は苦労しますね」

上皇は体の弱い皇太后を思って、子どもは1人だけと決め、代わりにファロを厳しく育てた。反抗期を知らないで大人になってしまったファロは、今更ながら親父に反発しているのである。

「でも、いいお嫁さんが来てくれて良かった。アベルにはお小遣いをあげないといけませんね」

ファロと一緒に育ったようなカインとアベルは、皇太后にとって息子のようなものである。いつまでもつい子ども扱いしてしまう。

「おい、あいつら今ごろお楽しみであるぞ」

「だから何です?」

「いや、ワシらもここでちょっと……」

厭らしく伸びて来た手を横目でちらりと見た皇太后は、その手をピシッと払い落した。




「お前、あのエロ親父に何もされてないだろうな」

秘所に深々と入り込まれて、揺さぶられると、何を言われているのかよく分からなくなってしまう。

「……んっ、されてなっ…い……あっ」

散々指で熱をあげられて、身も蓋もなくねだった末に、ようやく与えられたものは、ショウタの弱みを知ってるくせにはぐらかし続けていた。

無意識に強い快楽がほしくなり、腰が動くのを手で押さえつけられる。

「油断も隙もあったもんじゃない。親父は俺そっくりだから、いつお前に惚れるか分かったもんじゃない。」

本当は父親がファロに似ているのではなく、ファロが父親に似ているのだが、世界が自分とショウタ中心に回っていると思っているファロは、そういう問題には気づかなかった。

焦って不安そうな表情を見せる世界最強の男がおかしくて、ショウタはくっくっと笑う。笑うと中に響いて、やっぱり身じろぎする羽目になった。

「ショウタ?」

「ほんと、お義父さんそっくりだよ、ファロ。俺おくさんだけをぞっこんに愛してるところとか、さ」

心配しなくても、あの国王は元からショウタに興味がない。ショウタと皇太后が

お茶しているときにいつも現れるのは、本当は皇太后がショウタに微笑むのに嫉妬しているからだ。国王の頭の中には、皇太后しかいない。そういうところとか、本当にこの父子はよく似ている。


ファロの顔がかぁっと赤くなった。照れてる。

「ははっ、可愛いな、ファロ……っあっ……」

急に奥まで突き上げられて、ショウタの背中がそる。今度は外さずに弱いところばかり攻められて、強すぎる快感から逃げられなくなった。

「……うるさい……」

「っあ、あっ、そんな……っ、はげしっ……んぁっ」

八つ当たりはやめてほしい。

でも久しぶりにファロが照れているところを見たので、何だか許してやる気持ちになった。

ずっと孤独で頑張って来た偉丈夫を、ちょっとくらい甘やかしてもいい気がする。

ショウタは与えられる快感を受け止めるように、そっと愛しい人の背に手を回した。

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蝶ノ国ノオハナシ 沙汰野乃子(さた ののこ) @satanonoko

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