後日談短編2:幸せにする作戦3

「なーなー、ふぁろはどーしてそんなにしんちょーたかいの?」

だいぶ酔っている。雪のように白い肌が上気し、ほんのり赤くなっている。

いつも爽やかで明るい笑みを浮かべている顔は、酔いのためにふにゃふにゃと締まりがなかった。

「俺はそんなに高い方じゃない。蝶の中では平均だ」

蝶の一族の平均身長は2mである。ファロはそれより15cmくらい高いだけだ。確か国の記録では2.5mが最高だったはずである。実際、カインも2.4mくらいあって、ファロより背が高い。


「でもぉ、あるるではおれ、いちばんかにばんめくらいにたかかったんだよ?ずるいなーふぁろは」

原生林の中では、身長が低い方が狩りにも外敵にも有利であるため、アルルの村人は身長が低めである。170cmあるショウタは、本当に長身の部類だったのだろう。

おしおきだーと言いつつ、ショウタは隣に座るファロの腕をつんつん突き始めた。もう言うことなすこと全てが可愛過ぎる。でももう少しこの酔っているショウタを堪能したくて、ファロはぐっと我慢した。


「あ、そーだ。ひとつわすれてた」

ショウタは急に思い出したように言うと、椅子から立ち上がった。少しふらふらしているのが心配で、ファロも立ち上がる。

「なにを?」

「だーめ、ふぁろはせーたかいんだからすわってて!」

めっ、と言いつつ肩を押されると、座り直すしかない。

「ふぁろをしあわせにすること」

えへへ、と笑ったショウタは、少し屈んでファロの首を抱きしめた。

「ショウタ……?」

「ふぁろ、あいしてるよ」

何が何だか分からない内に、ちゅっと音がして頬に濡れた感触がする。ショウタの可愛らしい唇の。


ファロの目と髪は、一瞬で黒から赤に変色した。


「ほわ、ほわわっ」

急に抱き上げられて、ショウタは思わずファロの着物に抱き着いた。

「お、お前ってやつは……!」

もう我慢の限界である。ファロはショウタを大きなベッドにそっと寝かす。ショウタは酔っていてよく分からないらしい。大人しくスプリングに沈んでいる。無抵抗のショウタの衣服を、纏わりつくバラの花びらと一緒に放り投げた。

ほんのり赤く色づいた肌を唇で辿り、可愛らしい胸の尖りをきゅっとつまんだ。


「んっ……」

感度が良すぎるために身じろぎする体を、体重をかけて押さえつつ、早くも反応して兆し始めたところを口に含む。

「ふぇ、えっ、それ、それだめ、ふぁろ」

感じすぎるらしい。制止の声は聞こえないふりをして、小ぶりの可愛らしいそれを吸い上げる。先の方をチロチロ舐めてやると、ショウタの内腿がぷるぷる震えた。

「う、ぁ……きもち、い……」

いきそうな手前であえて口から離すと、ショウタは切なげなため息を漏らした。

「あ、いきたぃ、いかせて、ください」

おねだりすればいかせてやるという言葉を覚えているのだろう。酔った頭でたどたどしくお願いされると、このままいかせてやろかという気にもなったが、早くショウタの中に入り込みたい欲望が勝った。


「入れてからな」

「ん、むり、がまん、できなっ……」

文句は皆まで聞かないで、香油をまとわせた指を差し入れた。酔っているせいか、いつもより中が熱い。ぐ、っと指を突き入れると、ショウタの背が弓なりに反った。

「ふぁ、あ……もう、もうだめっ、もういっちゃうからぁ……」

限界が間近になって震えるショウタの根本を、きゅっと握りしめていかせないようにした。それでも容赦なく指を増やして突き入れると、ついにショウタが泣き出す。

「あ、あ、いいよ……っ、もう、いいから、はやく……んぁっ」


これ以上はもたなそうなので、ファロは一気にショウタの中に入り込んだ。

「ひゃああああっ」

限界まで我慢していたショウタが、ついに果てる。その狭さをぐっとこらえて、ファロはショウタを攻め立てた。

「あ、ちょ、とお……ふぁろ、むりだよ、いったばっか……ぁなのにぃっ……ふぇっ」

許容量を超えてぷるぷる震える体を抱きしめて、それでも快感を送り込み続けると、声にならない悲鳴がショウタの口からもれた。その可愛い唇を、自分の口で塞いでしまう。


「ショウタ、俺は幸せだ」

「ん、んっ……あっ……」

お礼の言葉も、今はショウタの耳に響いていないらしい。その柔らかくて厭らしい体を抱きしめて、奥の奥に注ぎ込む。

「ありがとう、ショウタ」

「んっ……」

こくりとうなづいたショウタに、どこまでこの温かな気持ちが伝わっているのかは分からない。とりあえず今はこの体を堪能しようと、愛する妻の体を抱き起した。

「もう少し付き合え」

もう一度うなずいた愛しい人のつむじに、ファロはちゅっと口づけた。


翌日、ショウタはワインを半分開けたところまでの記憶しかなかった。

「俺のサプライズ、成功したのかなぁ」

首を傾げるショウタの首筋にも、腕にも、肩にも、あちこちについている赤い痕を見やったアオは、確信をもって答えた。

「それは大丈夫でしょうね」

そして王は今日、一日中ご機嫌で仕事をした。

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