青いミニカー
青いミニカーを棄てられずにいた。べつに気に入っているわけでも、棄て方が判らないわけでもない。でも鞄の、大きな外ポケットのなかに入れっぱなしになっている。
これは昔、一度だけ一緒に遊んだ男の子の持ち物だった。うちに忘れていったのだ。彼は、一緒に遊んだ時は未就学児だったが、今頃は中学生になっている筈だ。
青いミニカーを今更返されたって、もう、遊ばない年齢になっている筈だ。
だからこの青いミニカーをどうすることも出来ずにいる。
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