花なんて面倒臭い

 花なんて面倒臭い、としか思わなかった。先日、ちょっとした祝いごとがあって、花束をもらってしまった。鮮やかなオレンジ色の花だった。きれいだったけど、正直どうしたらいいのか判らなかった。偽物の花だったら、そのまま飾れたのに。

 とりあえずネットで調べて、なんとか花瓶に生けた。何処に置こうか、と悩んで、花瓶を持って家のなかをうろうろした。結局、食卓の真ん中に置くことにした。疲れてしまって、溜息をついてソファに座り込む。

 花なんて、面倒臭い。

 生き物と同じだから。

 責任なんか、

 持ちたくはないのに。

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