第231話洛陽有愚叟
洛陽有
洛陽有
點檢盤中飯 非精亦非糲 點檢身上衣 無餘亦無闕
天時方得所 不寒復不熱 體氣正調和 不饑仍不渴
閒將酒壺出 醉向人家歇 野食或烹鮮 寓眠多擁褐
抱琴栄啓期 荷鍤劉伶達 放眼看青山 任頭生白髮
不知天地內 更得幾年活 從此到終身 盡為閒日月
洛陽に愚かな老人がいる。
洛陽に愚かな老人がいる。
白と黒の分別すらできない。
頭がおかしくなっているのか、うろうろと歩き回るけれど、世渡りは下手ではない。
皿に盛った飯を見ると、高くつく白米でもなく、安い黒米でもない。
衣服を調べてみれば、有り余るほどではないけれど、足りなくもない。
季節もほどよい。
寒くもなく、暑くもない。
身体も心も特に問題はなく、空腹でもなく、のどが渇いてもいない。
のん気に酒壺を手にぶら下げて歩き回り、酔いが回れば人の家で休む。
野原では野菜を煮て食し、どんな場所でも粗布に包まって眠ってしまう。
まさに、琴を抱く栄啓期、酒を好きなだけ飲む劉伶のほがらかさ。
飽きるまで山をながめ、白髪は生え放題だ。
この現世に、この後、何年生きられるのだろうか。
今からこの世を旅立つときまで、全て気のむくままに過ごすこととしよう。
※浪跡:うろうろと、あちこち歩き回ること。
※謀身:世渡り。
※寓眠:よその場所で眠ること。
※栄啓期:与えられた条件に満足して幸福に生きた古代の人。琴をよくしたと言われている。
※劉伶達:魏晋時代の哲人。竹林の七賢の一人。
※放眼:飽きるまでながめる。
○大和八年(834)、洛陽の作。
○まさに悠々自適の生活を詠んでいる、愚かな老人という表現も面白い。
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