呉中好風景二首　其二

呉中好風景　　風景朝暮無　　暁色萬家煙　　秋聲八月樹

舟移絃管動　　端擁旌旗駐　　改號斎雲楼　　重開武丘路

況當豊熟歳　　好是歓遊處　　州民勧使君　　且莫抛官去　

呉中の風景は素晴らしい　その二

呉中の風景は素晴らしい。

その風景の素晴らしさは、朝も晩も関係なく素晴らしい。

朝の素晴らしい景色は、家々から立ち昇る朝ごはんの煙。

秋の素晴らしい音が、八月の樹木から聞こえてくる。

管弦の音は、舟の移動に伴って移り、橋が邪魔をして旗が止まる。

斉雲楼と名を改め、武丘への道は改修した。

その上、今年はまさに豊作となった。

これほど行楽に適した處はない。

太守は州民に勧められた。

「当分は官職を退くなどして、この土地から去ることはないように」

※「改號」は改名。斉雲楼は、蘇州の楼閣の名。雲と並ぶほどの高いとの意味。

※好是：最適。

○宝暦二年（８２６）、蘇州の作。

○気候は温暖で、過ごしやすい。風光明媚、しかも豊作。白楽天にとっては素晴らしい時期である。州民の白楽天に対する好感度も高かったようだ。

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