第134話別種東坡《とうば》花樹両絶 其二

其二


花林好住莫顦顇しょうすい  春至但知依舊春 楼上明年新太守 不妨還是愛花人


その二


花を咲かせる林にお願いする。

私がいなくなっても、元気をなくしてはいけないよ。

春になれば、いつもの通り、忘れず花を咲かせて欲しい。

この楼の上には、来年、新しい太守が来られる。

その新しい太守が、私と同じように花好きであることについては、決して文句は言わないから。


※好住:お元気で。去る人が残る人に対して言う挨拶。この場合は愛した花咲く林に挨拶をしている。

※依旧春:いつもの春の通りに。

※新太守:後任の州刺史。郡の長官。


○元和十五年(820)、忠州を離れる時の作。

○別れに際して、忠州の人は出てこない。思い入れは自ら植えた花だけだったようだ。それでも花を二年間とはいえ、楽しんだので別れるに際しては寂しさを感じている。

○白楽天は、再び長安の朝廷に戻ることになった。

 次回以降、長安期の五首を訳します。

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