第109話夢微之

夢微之

十二年八月二十日夜


晨起臨風一惆悵  通川湓水断相聞  不知憶我因何事  昨夜三迴夢見君



元稹を夢に見て

(十二年八月二十日の夜)


朝起きて、風にあたっていると、突然悲しくなってしまった。

君がいる通川と私のいる湓水の手紙のやり取りが途絶えてしまことを思い出した。

君は私のことを思ってくれたんだろう、どうかしたのか。

昨夜は君が三回も私の夢に出てきたのだから。


惆悵ちゅうちょう:悲しむこと。


○元和十二年(817)、江州の作。

○人の夢を見るのは、その人が自分の夢を案じているからという考え方による。


○確かに夢にでも出てきて欲しい人は、何人かいる。

 白楽天は、元稹を心配しながらも、自分も元稹を見たかったのだと思う。

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