28
相性の問題だったのかね…?
「…そ、それでも!ずるいよ!ソレを私達に内緒にして…!リザリーがちょうど生産大陸に行ってる時に戻ってくるなんて…!」
「狡くは無いだろう、それに今話したんだから内緒にもしてねぇし?」
今リザリーが遠出してるなんてストーキングしてねぇと分からない情報だろ…と、意味不明に可愛く涙目で睨みつけてくるマキナに呆れたように返す。
「…う、うう…」
「お、なんだ?嘘泣きか?また泣き落としでもしてこの場の主導権を握ろうとしてんのか?」
マキナが俯いたので、俺は先手を取るためにこの後の行動に釘を刺しておく事に。
「もー!先に言われたらできないでしょ!」
するとマキナは俺にタックルするとマンガのように全く力の入ってない拳でポカポカ叩いてくる。
「女の武器は涙っつーけど嘘泣きじゃあ一回しか使えねーぞ」
あのアホを除いてな…と、優しい俺はもはやその手段がエリア以外には通じない事を伝えた。
「…面白くない」
「だったら帰れよ、こんな所に居るよか研究所に居た方が面白いだろ」
少し離れてふて腐れたように呟いたマキナに俺は軽くストレッチしながら言う。
「むー…久しぶりだって言うのにつれない…」
「久しぶりって…一ヶ月も経ってないんだから久しぶりでもねぇんじゃね?」
「そうだけど…」
「…しょうがねぇな、俺も一緒に行ってやるから帰るぞ」
軽い運動をしたいのに一向に研究所に戻る素振りを見せないので…
仕方なく軽い運動は研究所でやる事にして帰路の同行を申し出る。
「ん」
「ん?」
するとマキナは少し歩いてから意味不明に手を差し出すので、意図が分からず俺は首を傾げた。
「手…つなご?」
「…なんで…?…まあ断る理由もないからいいけど」
マキナの良く分からない要求に若干困惑しつつも拒否る理由とかが無いので握手するように握る。
…流石に付き合ってるワケでも無いのに恋人繋ぎはナイからな…
マキナが何を考えてるのかさっぱりわからないけども、握りを変えずにそのまま歩き続け研究所へと到着。
「じゃあ私はお風呂入ってくるね」
「おう」
いちいち報告しなくてもいいのに…と思いながらも適当に返事をしていつもの部屋へ。
…別にマキナの裸なんて見慣れてるから今更風呂を覗こうなんて微塵も思わないっていうね。
…なのに全裸や半裸を見ると興奮してしまう不思議。
…見慣れてるハズなのになんでだろうな?俺が童貞だからか?
疑問に思いながらいつもの部屋へと入り…いつものように軽い運動をこなす。
「ふあ~…ぁ、眠…」
「お、テイトじゃないか…帰ってたのか?」
適当な部屋を借りて寝ようかと思い、受付に向かってると廊下でエルーと遭遇した。
「深夜にな」
「マキナとは会ったか?」
「…アイツに連れてこられたようなモンだ」
適当に返して通り過ぎようとしたら…何故かついて来るように隣を歩きながら更に聞いてきたので、若干含みを持たせて答える。
「ははっ、お前の事だからそのまま公園に居座ると思ったんだがな」
「…雨、降りそうだったからな、仕方なく」
「なるほど…じゃ、俺はまだ仕事があるから」
笑いながら話しかけてくるエルーに微妙に襲ってくる睡魔と格闘しながら返すと、手を上げて近くの部屋に入って行った。
「…ハロー」
「あ、村さん?」
「眠いけど布団敷くの面倒なんだ…どっか空いてる部屋無い?」
「え?あ、ちょっと待って下さい…」
俺が受付嬢に挨拶すると変装中でも無いのに疑問形で返されたが、まあそこはスルーして聞くとパソコンを弄って調べてくれる。
…いつもの部屋で寝るとマキナかエルーが来そうで快眠出来そうにないからな…
ココは意表を突いてのいつもは使わない部屋でいこう。
「…135とかはどうですか?」
「空いてたらどこでも良い」
「じゃあ135を使用中にしますね」
空いてる部屋を聞いたのに何故か一つの部屋を勧めるように聞いてきたので、適当に返すと…どうやらその部屋に決まったらしい。
「ありがと」
「ごゆっくり」
お礼を言うと笑顔で返され、一瞬惚れそうになったけども押し寄せる睡魔に邪魔されてるのでそのまま部屋へと向かった。
…女の子の笑顔を見るとドキッとするのはなんでだろ…?
疲れてるからか?それとも寝不足で精神が不安定になってるから…?
…どうでもいいか、どうせ起きたら忘れてるだろうし…
…ベッドにイーン、さて寝よ。
俺は部屋に入って直ぐにベッドに入り…5分もせずに夢の世界へとGO!する。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます